大津市 いじめ自殺 7月14日分 その1

<大津・中2自殺>アンケート結果公開…市教委、市議会で
毎日新聞 2012年7月14日(土)0時37分配信

 大津市で市立中学2年の男子生徒が自殺した問題で、大津市教委は13日、自殺の背景調査のために実施した2回分の全校アンケート結果の公開を始めた。これまで報道陣の開示要求に「確証のない情報がある」として応じず、遺族に渡す際も、口外しないよう求める確約書に署名させていたが、同日の市議会常任委で委員10人に回答の一覧表を配布したほか、一般傍聴者15人にも同じものを配った。いじめの内容を記した内部資料が一般公開されるのは異例で、市教委によると、情報公開請求があった場合に公開すべき範囲の内容だという。

 一般公開に踏み切った理由について、沢村憲次教育長はこの日の記者会見で「保護者に渡すと当然外に出て行くし、一般市民にも伝える必要がある」と説明。同中学の在校生約880人の保護者に対し「希望があれば学校で手渡す」という内容のメールを送り、生徒にも案内書を配った。希望する保護者に市議会で配布したのと同じ資料を配る。

 公開された資料は、在校生が書いた回答を教員がパソコンで一覧表に整理したもの。昨年10、11月に実施した2回分で、加害者とされる同級生の名前などは白く消されている。

 回答には、「生徒が自殺前日にマンションの自室を加害生徒に荒らされた」とする複数の伝聞情報があった。2回目のアンケートには、「泣きながら担任に、いじめられてることがつらいと電話したと聞いた」「いじめは本当にあった」などの回答が含まれていた。

 男子生徒の父親(47)は取材に「なぜ今ごろとの思いはあるが、保護者の方々の不安解消につながるし、市教委の調査の実態などは一般の方に知ってもらいたい」と話した。

 常任委では、「いじめのとらえ方が甘いのでは」「市教委の体制に問題があるのでは」など、学校や市の受け止めを疑問視する質問が相次ぎ、「なぜ生徒のSOSを把握できなかったのか。学校はいじめが犯罪との認識が薄い」との指摘もあった。市教委は「早期に気付く資質を養いたい」「調査が不十分だった」などと弁明に追われた。

 一方、市教委は同中学の生徒の心のケアのため、県教委の支援も含めスクールカウンセラー4人の常駐を始めた。終業式のある20日まで続ける。【千葉紀和】

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滋賀・いじめ自殺 市教委、「警察との連携が不十分」と報告
フジテレビ系(FNN) 2012年7月14日(土)1時22分配信

滋賀・大津市で自殺した中学生がいじめを受けていた事件で、市教委は13日、警察との連携が不十分だったとする報告を市議会に行った。
今回、生徒へのアンケート調査で発覚した「葬式ごっこ」。
この言葉に社会が衝撃を受けたのは、初めてではない。
1986年、やはり中学2年生の男の子が自ら命を絶った東京・中野富士見中学のいじめ自殺。
教育関係者なら今回、誰もが思い起こしたであろう悲痛な記憶。
26年を経ていじめはなぜ繰り返されたのか。
大津市教育委員会の澤村憲次教育長は「市内中学生の転落死亡事故にかかります報道等で、委員長をはじめ、委員の皆様には大変ご心配をおかけいたしまして、誠に申し訳ございません」と述べた。
飛び降り自殺を転落死亡事故と表現し謝罪した大津市教育委員会の澤村教育長。
13日に開かれた市議会の委員会で、男子中学生の自殺をめぐるアンケートの内容などについて報告した。
市議会議員は「真剣さが足りない、ことの重大性を認識していないと言われても仕方がないと思います」と述べた。
議員から厳しい批判の声が飛ぶ中、澤村教育長は「この問題につきましては、どこかの時点で、やはり、専門の捜査機関にお願いをしていくということは、必要であったかなと、そんなふうに思っております」などと話した。
「警察との連携が不十分だった」と話す一方で、12日夜は、自らに向けられた隠蔽(いんぺい)体質の批判を棚に上げ、教育現場への強制捜査に不快感をあらわにした。
12日夜、澤村教育長は「『警察が捜索をすることになります。ついては捜査のご協力をお願いします』と、こういうことでしたんで、『分かりました』と。わたしとしては、『協力をする』と言っているのに、『何で強制捜査なんですか』と、抗議の思いをお伝えしたということです」などと話していた。
異例の教育現場への家宅捜索。
その容疑となった体育大会での暴行について、13日、女性教員が目撃し、加害生徒に注意していたと報じられた。
この件に関し、教育委員会の澤村教育長は「亡くなられた子どもがいろいろとやられているところについては、その回っていた教員は、『そういうことを見かけていない』と、こういうふうに言っております」と話した。
女性教員が注意をしたのは問題のいじめの場面ではなかったと、批判をかわした。
保護者からは「全体的に、納得していないことばっかりで、もう『学校としては、学校としては…』っていう言い方だったんで」といった声が聞かれた。
保護者の不信感が募る中、県警は13日から教師や教育委員会の委員への事情聴取を始めた。
隠蔽体質と批判された教育委員会と学校。
当初は遺族に伝えられなかった2回目のアンケートの中に、教育に携わる人間の胸に刺さるキーワードがあった。
澤村教育長は「『葬式ごっこ』という記載があったことに気づかず、また事実の確認もその時点では、行っておりませんでした」などと話していた。
26年前、「葬式ごっこ」と称するいじめで、自殺に追い込まれた少年がいた。東京都の中野富士見中学2年生だった鹿川裕史君(当時13)。
1986年に父親の故郷である岩手県の盛岡駅近くのトイレで、首をつって自殺しているのが発見された。
そこには1枚の紙切れに、鉛筆で書き殴った遺書が残されていた。
遺書には、「このままじゃ『生きジゴク』になっちゃうよ」と書かれていた。
同級生らは、鹿川君を死んだことにして、色紙に追悼の言葉を寄せ書きする「葬式ごっこ」といういじめをしていた。
この「葬式ごっこ」には、驚くことに教師たちも一緒に加わっていた。
1986年、生徒は「(クラスのみんながやっていた?)大体やってたと思う。(どういうつもりでやっていた?)冗談のつもりで」と話していた。
事件は、いじめ自殺として初めて注目され、社会問題に発展した。
1991年、鹿川君の父親は「いじめに遭って苦しんでいるお子さんがいっぱいいると思うんです。自分の息子みたいに、死んでいっちゃならんと思います」と語っていた。

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自殺問題を長年取材してきた豊田 充氏に話を聞きました。
フジテレビ系(FNN) 2012年7月14日(土)1時37分配信

滋賀・大津市で自殺した中学生がいじめを受けていた事件で、生徒へのアンケート調査で発覚した「葬式ごっこ」。
この言葉に社会が衝撃を受けたのは、初めてではありません。
1986年、やはり中学2年生の男の子が自ら命を絶った東京・中野富士見中学のいじめ自殺。
教育関係者なら今回、誰もが思い起こしたであろう悲痛な記憶。
26年を経ていじめはなぜ繰り返されたのか。
中野富士見中学の自殺問題を長年取材し、複数の著作もあるジャーナリスト・豊田 充氏に話を聞きました。

(今回、大津市の男子中学生の自殺をめぐっては、26年前の事件をほうふつとさせる、「葬式ごっこ」が起きていたということがアンケートで発覚しているが、どうして同じことが繰り返されるのか?)
今度の大津の事件での葬式ごっこの内容が、まだくわしく報道されていませんけど、「自殺の練習をしろ」って言ったっていう報道がありましたよね。
あれと関係あるんじゃないかと思うけどね、本当にドキッとするような話ですよね。
それからきょう(13日)、報道された体育祭の時に、縛って口に粘着テープ、先生が見たわけでしょう、それがそのままになっているっていう。
いじめっていうのは、見ようと思わなければ見えないんですよ。
みんな見ようとしない、先生。
で、教育長かなんかの弁明に「見かけなかった」と言って。
見ようと目を開けてしっかり見りゃ、見えるんです。
それを見ようとしない。
だから、葬式ごっことアンケートにあっても、そのまま目をつぶっちゃうわけだな、先生方が。
ほかにもアンケートにいろんな問題が出てきているのに、それ、確証がないって。
確証があるかないか調べればいいじゃないですか。
警察をあてにする前に自分で調べようともしないで、そういう見ようとしないことが、こういう悲劇を次々と生んでる一番の根幹の原因です。

(今回、警察が異例の強制捜査に入ったが?)
もちろん遺族が被害届を出そうとした、その時点ですぐやるべきだったと。
今ごろになって、警察遅いんですけど、その前に、なぜ学校なり教師なり、あるいはこう区内の親たちが一緒になって、本当のことを、亡くなった生徒の生前に何が起こったのか、それを調べようと、そういう自分から解決するっていう意欲は全然見られないじゃないですか。

(当事者意識がない?)
だから、見ようとしなかったんですよね。
それで事後的にも、ひたすら「いじめはなかった、自殺と因果関係はない」と、もみ消しみたいなことばっかりやってるでしょ。
これじゃあ、繰り返されますよ。
26年前と、そこは全く同じなんですよ、そこが。

(長年取材をしてきて、いじめ問題をなくすために何が必要か?)
やっぱり教師が自分のやってることを客観的に見ることが必要ですよね。
そのために大津の場合は、市長が「第3者機関に調べてもらう」と言ったでしょ。
わたしら、教師が何か自覚してくれるんじゃないかっていう期待を四半世紀持ってたけど、もう教師も学校も駄目ですよ。
優秀な先生はいるけどね、個人としては。
だけど、学校という単位だったら、もう全然役に立たない、解決能力ないです。
だから第3者、学校と関係ない第3者に全ての問題を調べてもらったほうがいいと思う。

(客観的な目が必要だということか?)
そうです。

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大津いじめ問題アンケート公表 衝撃の告白並ぶ
スポーツ報知 2012年7月14日(土)8時3分配信

 滋賀県大津市の中学2年の男子生徒(当時13歳)が昨年10月に自殺した問題で、大津市は13日、学校側が実施したアンケート結果の概要を市議会の教育厚生常任委員会で公表した。概要は市議のほか、傍聴人にも配布された。自治体が内部資料を傍聴人に提供するのは極めて異例だ。概要には、生徒が亡くなる前日、加害生徒に「僕、死にます」と連絡していた記述もあるなど、生々しい告白が並んでいた。また、同校の希望する保護者にも、この日から配布を始めた。

 公表されたアンケート結果は、男子生徒が自殺した昨年10月の1回目と、同年11月に実施した2回目の両方。1回目には「(体育大会で)はちまきで首を絞められているのを見た」「死んだハチを食べさせていた」などの証言が15枚、計30ページ分にわたってズラリと列挙されていた。

 毎日のように殴られ、紙やカエルを食べさせられたり、万引きをさせられたり…と胸の痛むような生徒たちの告白。ほかにも「脅して銀行の口座番号を教えさせ、お金を取っていた」「亡くなった時『やっと死におった』と言った」と具体的な内容が記されているほか、生徒が亡くなる前日、加害生徒に「僕、死にます」と連絡していたとの記述も複数あった。

 1回目のアンケートでは、回答内容によって「暴力行為」「お金」「からかい」など6種類に分類。また(A)記名で直接目撃(B)無記名で直接目撃(C)記名で伝聞(D)無記名で伝聞―と4段階にランク分けしていた。なかには先生の対応を批判する回答もあった。

 沢村憲次教育長は2回目のアンケートで「葬式ごっこ」などと、いじめを強くうかがわせる記述があったにもかかわらず、見落としていたことについて「調査が不十分だった」と陳謝。「委員の皆さまにご心配をおかけした。ご報告が遅れて申し訳ない」と述べた。出席した10人の市議は黙々とページをめくった。

 市議の一人は市教委の対応を「重大性を認識していないと言われても仕方がない」と糾弾。市教委は「学校からの報告をうのみにし、チェックが甘かった」と認めた。いじめと犯罪行為の関係をめぐり、沢村教育長は「いじめがすべて犯罪行為との認識はない」と話した。

 公開された概要には、アンケート結果を基にした教諭による生徒への聞き取り調査についての記述はなく、終了後の会見で沢村教育長は「個人情報そのもので、公開するつもりはない」と説明。だが、報道陣からの追及に「先生のノートなり、メモなりで一覧にまとめたものがない。先生と子どもとの間で一対一で記録されたもの。警察が持っていっている」など歯切れの悪い答弁に終始した。

 [公表されたアンケートの内容]

 【生徒の様子】
 ◇いじめられているのを隠すかのようにつらそうな笑顔をしているのを何度も見た
 ◇(自殺前日、加害生徒に)「僕、死にます」と電話。「明日死にます」のメールを送った

 【いじめの内容】
 ◇死んだスズメを口の中に入れろと言われていた
 ◇ガムテープで縛られていた
 ◇昼休みに自殺の練習をさせられていた
 ◇亡くなった日(加害生徒が)笑いながら「(被害者)が死んだ」と他のクラスの友達に言いふらしていた
 ◇「死んでくれてうれしい。でも、もう少しスリルを味わいたかった」と言っていたらしい
 ◇(被害者が亡くなった翌日、加害生徒が)現場に行き、死体探しをしたと言っていた

 【学校の対応】
 ◇一度先生は注意したけれど、その後は一緒に笑っていた
 ◇先生に泣きながら電話したけど、次の日に(加害生徒が)いる前で「大丈夫か?」と聞いたら「大丈夫」と軽く答えていたらしい。いじめている人の前で聞くのはおかしい

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中2自殺「部屋荒らされた」証言も 一般生徒 自宅で聴取へ
産経新聞 2012年7月14日(土)10時36分配信

 大津市の市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で13日、男子生徒が自殺前に自宅マンションの部屋を同級生2人に荒らされていたとの証言があることが分かった。関係者によると、荒らされたのは自殺3日前で、学校側が実施したアンケートにも「亡くなる前の日も部屋をめちゃめちゃにされていたみたいだ」との証言があった。滋賀県警は同日、男子生徒への暴行容疑の参考人として、同校教諭らから任意で事情聴取を始め、事実関係の解明を進める。

 県警はいじめ行為をしたとされる元同級生やほかの生徒らにも、夏休みに入る来週以降、集中的に聴取する方針。一般の生徒については心理的負担に配慮し、捜査員を生徒の自宅に派遣して保護者同席を認める異例の措置を取る。

 男子生徒の父親(47)と代理人弁護士は同日、県警に対し、捜査過程で生徒に事情聴取する際は、生徒が不安にならないよう配慮することを要望。一方、暴行や恐喝などの罪で18日にも元同級生3人を刑事告訴する意向も示した。

 県警から市教委に入った連絡では、13日の聴取は沢村憲次教育長や学校教育課職員ら15人が対象で、指導主事3人からは、自殺をめぐる経緯などについて聴いたという。県警は今後も1日に6人前後の任意聴取を継続し、8月中に立件の可否を判断する。

 在校生約800人を対象とする聴取は、少年犯罪を担当する生活安全部の専従捜査員25人が、いじめの実態や暴行の状況などを聞き取り、いじめと自殺の因果関係を調べる。

 ■いじめ影響認定へ

 男子生徒の遺族が市などに損害賠償を求めた訴訟に関し大津市が13日、「いじめと自殺の因果関係は不明」とした従来の主張を変更し、17日の第2回口頭弁論で、自殺との因果関係を認める方向で調整を進めていることが分かった。

 訴訟をめぐり、越直美同市長は調査のずさんさを認め、「事実確認できなかった場合は、市が責任を取って和解したい」と述べた。しかし、市教委の沢村教育長は13日午前の段階で「本人や家庭のことも明らかにされていくべきだ」と述べ、訴訟を継続する考えを示していた。

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訴訟あるから…大津市教委、いじめ報告書未提出
読売新聞 2012年7月14日(土)10時59分配信

 大津市教委が、自殺の原因とされるいじめについての正式な報告書を、遺族から損害賠償請求訴訟を起こされていることなどを理由に、現在も県教委や文部科学省に出していないことがわかった。

 これを受け、平野文部科学相は13日夜、深刻ないじめを把握した際は「すみやかに文部科学省へ状況を報告してください」とする談話を全国の学校、教育委員会向けに出した。

 県教委によると、市教委は、口頭やメモでの簡単な報告をしただけで、県教委から文科省には口頭で伝えられるだけにとどまっていた。県教委は「重大事案とわかれば、学校などにスクールカウンセラーや職員を派遣し、専門家らから助言をすることもできたはずだ」と指摘、文科省も、「市教委から報告があれば、国として助言や指導はできたはず」としている。

 これに対し、市教委は「必要があれば県教委に口頭などで伝えてきた。男子生徒の遺族から損害賠償請求訴訟を起こされており、まだ報告書をまとめる段階ではないと考えている」としている。

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内容口外せぬ…大津いじめ自殺、遺族から確約書
読売新聞 2012年7月14日(土)12時16分配信

 大津市の中2男子自殺問題で、学校側が昨年10月に行った1回目の全校アンケートの報告書を遺族側に渡す際、内容を口外しないとする確約書に署名させていたことがわかった。

 男子生徒の父親(47)は「真相を究明するためには、個人情報に配慮しつつ、市教委や学校が早い段階で公表すべきだった」と話している。

 確約書は校長あてで、「守秘すべき個人情報が含まれていることを認識し、部外秘とすることを確約します」との内容。遺族側の要望で実施したアンケートの回答には、いじめを示すものが335件あったが、当時、市教委は自殺との因果関係を認めていなかった。

 確約書について市教委は「加害者とされる同級生らの名前も書かれており、学校は部外秘と判断した」と説明している。

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