横浜の小学校で発達障害児がいじめ被害、学校の対応遅れ転校/神奈川

横浜の小学校で発達障害児がいじめ被害、学校の対応遅れ転校/神奈川
カナロコ 2012年7月13日(金)4時30分配信

 横浜市金沢区に住んでいた市立小学校6年の発達障害の男子児童(11)が、同級生から暴行など継続的ないじめを受けていたことが12日、分かった。保護者は4月から数回、学校側にいじめ被害を訴えていたが、学校側が認めたのは5月末。被害児は6月に1週間のけがを負い、転校した。学校側は「認識が浅く、いじめに気付くのが遅れた」と釈明している。

 被害児の保護者や同校によると、普通学級に通学していた高機能自閉症の被害児は4月以降、同じクラスの男児3人から、学校内や下校途中に障害児を意味する「ガイジ」というあだ名で呼ばれたり、蹴るなどの暴力を振るわれたりするいじめを継続的に受けた。

 泥まみれで血を流して帰宅したこともあったという。

 被害児はいじめを隠したが、自宅で壁に頭をぶつけたり、「死にたい」とカッターを手首に当てたりとたびたびパニックを起こした。知人から「いじめに遭っているのでは」と聞いたこともあり、母親が4月下旬、学校側に相談。担任教諭らは男児3人に事情を聴いた。その上で担任らは「仲良しグループで暴言は互いに言い合った」「一方的な暴力はあったが(加害児を)指導した」などと保護者に説明し、いじめを否定したという。だが、その後もいじめは続いたという。

 6月1日の下校途中には、被害児は両膝や肩などに1週間のけがを負った。保護者によると、この3人のうち2人に路上で押し倒され、蹴られるなどしたという。保護者は「安心して通えない」と同4日、市教育委員会に転校を申し出た。手続きが素早く進まなかったため、自ら住民票を区外に移し、同8日に転校した。被害児は今もパニックに陥るなど不安定という。

 校長は「4月の担任による指導で解決したと考えていた」と、5月末になっていじめと認識したと釈明。「発達障害への理解も不十分だった」と説明する。一方で6月の暴行については、男児2人は「やっていない」と話しているという。

 校長らは6月末、保護者らに謝罪。今後、実態把握を進めるとともに、6年生の保護者向け説明会を開く予定で、再発防止に努めるという。

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発達障害児への暴行、小学校調査で同級生が「いじめ目撃」/横浜
カナロコ 2012年7月14日(土)9時30分配信

 横浜市金沢区に住んでいた市立小学校6年の発達障害のある男子児童(11)が同級生から暴行など継続的ないじめを受けて転校した問題で、複数の同級生がいじめを「目撃した」と学校のアンケートに回答していることが13日、分かった。学校側は結果を基に実態把握を進めるというが、被害児の保護者は4月下旬から調査を依頼していた。

 また、担任教諭(37)が6月、男児の転校先の学校名を同級生に伝えていたことも、神奈川新聞社の取材で分かった。校長(58)は「配慮が足りなかった」と釈明している。

 市教育委員会と学校側は13日に市役所で会見。市教委によると、アンケートは12日に6年生全員を対象に実施した。悩んでいる子や困っている子を見たことがあるかと尋ねたところ、複数の児童が「(被害児が、障害児を意味する)『ガイジ』と呼ばれているのを見た」「(被害児が)ぶたれたり蹴られたりしているのを見た」などと回答したという。

 被害児の保護者がいじめ被害を学校側に相談する前の4月上旬、同級生の女児が「同級生の男児が(被害児を)蹴っていた」と担任教諭に伝えていたことも判明。5年時の担任も「被害児が『障害児』と呼ばれていた」と話しているというが、教諭らはいずれもいじめと認識しなかったという。

 校長は会見で「指導の配慮不足と児童への理解が足りず、児童につらく苦しい思いをさせてしまった」と謝罪した。

 被害児は高機能自閉症で、同級生の男児3人に「ガイジ」というあだ名で呼ばれたり、暴力を振るわれたりするいじめを継続的に受けた。6月には1週間のけがを負い、区外に転校した。

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