堀越学園:元理事長ら地位確認本訴 きょう第1回口頭弁論 /群馬
毎日新聞 2012年7月19日(木)11時14分配信
学校法人堀越学園(高崎市、大島孝夫理事長)の理事解任を巡り、堀越哲二元理事長ら4人が同学園を相手取り、理事会決議不存在と地位確認を求める民事訴訟(本訴)の第1回口頭弁論が19日、前橋地裁高崎支部で行われる。地位保全の仮処分決定では、堀越氏側の主張がほぼ認められたが、より厳密な立証が求められる本訴での司法判断が注目される。
訴えたのは、堀越氏▽堀越氏の実姉で前堀越幼稚園長▽学園財務職員(女性)▽高崎保育専門学校(保専)副校長(女性)の4人。
訴状などによると、堀越氏の理事、評議員学園長、創造学園大学長、教授を解任・解雇▽実姉の理事解任を決議した今年1月10日の理事会、および財務職員の解任を決議した同13日の理事会は、それぞれ当時理事だった原告4人に事前の招集通知がないなどで無効、決議は存在しない、としている。
また、原告の保専副校長は、同4日の理事会で理事を解任された高崎医療技術福祉専門学校(医専)の現校長の後任で、同日付で就任したと主張した。【増田勝彦】
■理事の地位巡る経過■
学校法人は、理事長を法務局に登記するとともに、全理事を文部科学省に届け出るよう定められている。関係者によると、同省に届け出ている理事は、大島孝夫理事長▽元日大教授▽元弁護士−−の3人と、▽井上晴彦・創造学園大学長▽高崎医療技術福祉専門学校(医専)の現校長(女性)▽同大事務室長(女性)の生え抜き3人の計6人。
大島理事長ら3人と事務室長は、解任された堀越氏ら3人と、退任した王豊理事長(当時)の後任として就任している。
■地位保全仮処分
堀越氏ら4人の地位保全仮処分申請に対し前橋地裁高崎支部は5月21日、堀越氏と実姉、財務職員の3人について「解任を決議した1月10、13日の理事会は招集手続き、議事進行が不適切」と判断し、地位保全を認めた。
保専副校長に関しては、堀越氏側が「1月4日理事会で医専現校長が解任され、同日付で就任した」、学園側が「辞任は1月15日付で、同13日の理事会で取り消したので、就任していない」とそれぞれ主張した。決定では、辞任は15日付としたものの、取り消し決議した13日理事会は無効なので、保専副校長の地位保全を認めた。
学園側の異議申立に対し同支部は今月10日、解任された3人に保証金計300万円の条件を付したほか、保専副校長について「評議員会の議を経ていない」として、原決定を取り消して申請を却下する決定を出した。学園側は東京高裁に抗告した。
■理事長変更登記
地位保決定を受け堀越氏ら4人の理事会で王氏の理事就任を決め、改めて開いた理事会で王氏を理事長に選任し、前橋地方法務局に今月6日付で理事長変更登記を申請した。
同法務局は、同理事会議事録が要件を満たしていると判断、学園側は登記を留保するための対抗措置として同10日、王豊氏が理事長の地位にないことの確認を求める仮処分を同支部に申し立てた。【増田勝彦】
7月19日朝刊