いじめ、「学校に相談していたのに」 奈良 中2女子

奈良いじめ現場、車で通りかかった教諭気づかず
読売新聞 2012年7月25日(水)14時31分配信

 奈良県桜井市の市立中学校2年の女子生徒(14)がいじめを受けてけがをした問題で、生徒が6月に暴行を受けている現場を同校教諭2人が車で通りかかったのに異常に気づかず、被害を防げなかったことがわかった。

 校長は「教諭は生徒たちから1〜2メートル離れており、いじめに気がつかなかった」と釈明。「止める機会を逸して残念だ」と話している。

 同校によると、暴行があった6月19日午後は暴風警報などが発令され、教職員が車で通学路を巡回。このうち、3年担任の教諭2人が、生徒が女子6人に囲まれている現場を通りかかったが、車内から「ゆっくりしていないで、早く帰りや」と声をかけただけで立ち去ったという。生徒は6人から蹴られるなどして泣いており、傘の水をかけられ制服はぬれていたという。生徒の母親は「異常は明らかだった。制止してくれていたら、けがはひどくならなかった」と憤っている。

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いじめ、「学校に相談していたのに」
TBS系(JNN) 2012年7月25日(水)18時46分配信

 奈良県の中学2年の女子生徒が同級生からいじめを受けていた問題で、女子生徒の母親がJNNのインタビューに応じ、「学校に相談していたのに守ってくれなかった」と証言しました。

 先月19日、奈良県桜井市の中学2年の女子生徒(14)が下校中に同級生6人に囲まれ、腰を蹴られるなどして全治5日間のけがをしました。

 母親によりますと、女子生徒は当時、教師2人が現場を通りかかったにもかかわらず、早く帰るよう促すだけで、注意をせずにそのまま立ち去ったと話しているということです。

 「中3の担任の先生2人が通られて、ひと言だけ帰りなさいと言って過ぎ去った。その時、助けてほしかったのにと(娘は)言っていた」(女子生徒の母親)

 女子生徒は去年5月ごろから同級生から蹴られるなどのいじめを受けるようになり担任の教師にも相談。このいじめの情報は職員会議などでほかの教師らにも報告されていたということです。

 「担任の先生にも相談していたのに、置き去りというか、ちゃんと守ってくれなかったと思う。(娘は)死のうと思ったけど、やっぱり勇気もないし、家族の顔を思い浮かべたらできなかったって」(女子生徒の母親)

 学校側は、「2人の教師が現場を通りかかったが、いじめには気づかなかった」としています。

 学校側は以前にも12件、この女子生徒と同級生らの間でトラブルがあったことを把握していて、うち7件については、いじめの可能性があるとしています。(25日17:55)

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桜井の中2いじめ7件 昨年5月以降 校長「指導の甘さ痛感」 奈良
産経新聞 2012年7月25日(水)7時55分配信

 桜井市の市立中学2年の女子生徒(14)が、同級生に腰を蹴られるなどのいじめを受けた問題で、中学校の校長(57)が24日、市内で会見し、「生徒への指導の甘さを痛感している」と謝罪。学校側では、女子生徒に対するいじめを少なくとも昨年5月以降、今回も含めて7件確認したとしている。

 同校によると、女子生徒と同級生の間には昨年5月以降、12件の金銭などをめぐるトラブルがあり、このうち7件をいじめと認定した。

 女子生徒の下校時に同級生6人が腰を蹴るなどして軽傷を負わせた今回のいじめ以外にも、複数の生徒が女子生徒の悪口を言うなどのいじめも確認された。

 女子生徒の保護者が学校側に対策を要望していたが、その後も女子生徒と同級生の間でトラブルが続いたという。

 会見で校長は「複数の生徒による悪口も、被害者の立場からいじめとして捉え直している」と説明。さらに「学校側が把握していたトラブルについて、当事者全員が納得できるよう問題解決していれば、今回のような問題は発生していなかった」と述べた。

 この日は市教委も会見し、学校側が今回のいじめとは別に全校生徒を対象に実施していた「生活アンケート」について、いじめやトラブルに関する回答がなかったか独自に調査する方針を明らかにした。

 一方、県教委は今回の問題を受けて同校に対し、スクールカウンセラーの増員や学校支援アドバイザーの派遣について検討を始めた。

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