<京大元教授>主催学会で架空計上か 人件費に不審な支出
毎日新聞 2012年8月2日(木)2時32分配信
京都大学大学院薬学研究科発注の物品調達を巡る汚職事件で、収賄容疑で逮捕された元教授の辻本豪三容疑者(59)=6月28日付で辞職=が主催した11年4月の国際学会に絡み、架空の人件費などが計上された疑いがあることが大学関係者の話で分かった。東京地検特捜部もこうした事実を把握している模様だ。元教授の研究室職員の人件費に不審な支出があるとされ、特捜部は資金の流れを詳しく調べている。
大学関係者によると、経費の架空計上が疑われているのは「国際受容体・シグナリング・薬物作用シンポジウム」と題された国際学会。元教授が主催し、11年4月1、2日に京都大学で開かれた。
開催資金は主に「京都大学教育研究振興財団」など複数の団体からの助成金で、元教授が同財団に提出した報告書には経費総額は827万円と記載されている。内訳は▽人件費366万円▽事務費124万円▽通信・運搬費86万円−−など。このうち少なくとも人件費の一部が実際には支払われず使途不明金が発生しているといい、報告書も虚偽だった疑いがある。
学会には国内外の専門家約300人が集まる予定だったが、直前に発生した東日本大震災の影響で、海外の研究者が出席を見合わせるなどした。このため最終的な参加者は、予定を大きく割り込む100人程度になった。
元教授は、贈賄側の医療機器販売会社「メド城取(しろとり)」(11年10月に民事再生法申請)との間で架空取引し、捻出した資金を「預け金」として同社に管理させていたとされる。学会での人件費の架空計上も、こうした不正な資金工作の一つだった可能性があるという。【吉住遊、山田奈緒】
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京大元教授汚職 贈賄側、交際費1億円超
産経新聞 2012年8月2日(木)7時55分配信
京都大大学院薬学研究科の元教授による汚職事件で、贈賄側の医療機器販売会社「メド城取(しろとり)」が昨年6月までの3年間で総額1億円超の交際接待費を計上していたことが1日、関係者への取材で分かった。交際接待費が元教授、辻本豪三(ごうぞう)容疑者(59)=収賄容疑で逮捕=への賄賂となった可能性もあるとみられ、東京地検特捜部は慎重に捜査を進めているもようだ。
一方、同社が東京国税局の税務調査を受け、一連の不透明な経理処理について、平成22年6月期までの5年間で8000万円超の所得隠しを指摘されていたことも新たに判明した。
関係者によると、同社は20年7月〜23年6月の3年間で計約1億2400万円の交際接待費を計上。23年6月期は約1億3600万円の最終赤字にもかかわらず、交際接待費は約7200万円に膨らんでいた。
同社は、同社名義のクレジットカードを辻本容疑者に「自由に使ってください」と手渡し利用させるなど長年、利益供与を続けていた。辻本容疑者以外の複数の大学研究者にも高級クラブなどで接待を繰り返していたという。
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贈賄業者、所得隠し8000万円=賄賂の原資に―京大汚職
時事通信 2012年8月2日(木)11時25分配信
京都大大学院薬学研究科の元教授による汚職事件で、贈賄側の医療・理化学機器卸会社「メド城取」(東京都世田谷区)が東京国税局から、2010年6月期までの5年間で約8000万円の所得隠しを指摘されていたことが2日、分かった。
東京地検特捜部は、隠した所得の一部が元教授辻本豪三容疑者(59)=収賄容疑で逮捕=への賄賂に充てられていたとみて、資金の流れを調べている。
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京大元教授発注の入札参加 贈賄側1社のみ
日本テレビ系(NNN) 2012年8月2日(木)12時42分配信
京都大学大学院の元教授が収賄の疑いで逮捕された事件で、元教授が発注した医療機器の競争入札には、贈賄側の業者1社しか参加していなかったことがわかった。
この事件は、京都大学大学院の元教授・辻本豪三容疑者(59)が、贈賄の疑いで逮捕された医療機器販売会社「メド城取」社長・木口啓司容疑者(62)と元営業部長・上田真司容疑者(53)から提供されたクレジットカードを使うなどして、約600万円相当の賄賂を受け取った疑いで東京地検特捜部に逮捕されたもの。
その後の特捜部の調べで、辻本容疑者が発注した4件、総額約2億円の競争入札には「メド城取」しか参加していなかったことがわかった。
捜査関係者によると、辻本容疑者は「罪に問われるようなことをした覚えはない」と容疑を否認しているが、特捜部は、辻本容疑者が、自分が発注した大型入札でも強い影響力を行使し、実質的に業者を選んでいた疑いがあるとみて調べている。
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「預け金と思っていた」京大元教授収賄容疑を否認
テレビ朝日系(ANN) 2012年8月2日(木)13時31分配信
京都大学大学院の元教授の収賄事件で、逮捕された元教授は、業者側にプールしていた「預け金だと思っていた」と話すなど、賄賂にはあたらないとして容疑を否認していることが分かりました。
京大大学院元教授・辻本豪三容疑者(59)は、医療機器の発注を巡り、業者側から約620万円の賄賂を受け取っていた疑いが持たれています。また、辻本容疑者は架空発注を繰り返して、研究費を「預け金」として業者側に3億円弱、不正にプールしていたことが分かっています。辻本容疑者は「不正経理はしていた」と話す一方で、受け取った賄賂について「預け金だと思っていた」と供述しています。
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