高額装置発注を事前伝達=贈賄業者に入札便宜―京大元教授
時事通信 2012年8月3日(金)2時31分配信
京都大大学院薬学研究科の元教授による汚職事件で、元教授辻本豪三容疑者(59)が、入札が必要となる高額な実験装置の発注予定があることを、事前に贈賄側の会社に伝えていたことが2日、関係者の話で分かった。東京地検特捜部は、早い段階で入札に向けた準備をさせることで、有利になるよう取り計らったとみて、詳しい経緯を調べている。
贈賄側の医療・理化学機器卸会社「メド城取」(東京都世田谷区)は2004〜09年、1台当たり約1000万〜8000万円の実験装置の納入契約7件を、薬学研究科と結んだ。京大によると、うち4件は辻本容疑者が購入を希望した発注で、仕様書を作成する担当者となっていた。
関係者によると、辻本容疑者は購入を決めた段階で、メド城取にその旨を伝えた。このため、同社は早い段階からメーカーと協議し、装置を準備することが可能になった。
京大では原則として1000万円以上の物品契約は一般競争入札することになっている。しかし、入札の公告後、同社が既に準備を進めていることを知った競合他社は、入札への参加を断念。結果的に7件中6件はメド城取しか応札せず、残り1件も随意契約となった。
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