<大津市教育長>ハンマーで襲われ負傷 埼玉の大学生逮捕
毎日新聞 2012年8月15日(水)9時53分配信
15日午前7時50分ごろ、大津市御陵町の大津市役所別館の教育長室で、市教委の沢村憲次教育長(65)が少年(19)にハンマー(長さ約30センチ)で顔を殴られ、右目の上を数センチ切る軽傷を負った。少年は職員に取り押さえられ、通報で駆け付けた滋賀県警大津署員に殺人未遂容疑で現行犯逮捕された。少年は、いじめを受けていた大津市立中学2年の男子生徒が自殺した問題を巡り、「沢村教育長が真実を隠していると思い許せなかった。殺すつもりだった」と供述しているという。
県警によると、少年はさいたま市在住の私立大1年生。「2週間前に自宅を出て、ホテルに泊まったり、野宿をしたりしながら、大津市まで来た」と説明している。
少年はハンマーの他に、長さ50〜70センチの針金を持っていた。針金の両端には、首などに巻き付けた際に強く引っ張ることができるよう、木が取り付けられていた。少年が用意した凶器とみられる。
この日、出勤した沢村教育長が教育長室に入って間もなく、少年が勝手に入室してきた。いすに座っていた沢村教育長は立ち上がり、近づいてきた少年が突然、ハンマーで殴ってきたという。2人はもみ合いになり、騒ぎに気付いた市教委の職員数人が少年を取り押さえた。沢村教育長は病院に救急搬送され、手当てを受けた。
男子生徒の自殺問題を巡っては、沢村教育長が責任者として対応に当たっていたが、いじめなど自殺の背景に関する調査が十分でないなどとして、市教委には多くの批判が寄せられていた。
市教委によると、自殺問題の対応について、脅迫まがいの電話も市教委にかかっていた。ただ、入庁者の制限などはしておらず、この日も教育長室がある市役所別館2階には誰でも出入りが可能だった。県警は動機や教育長室に侵入した経路について、少年から詳しく事情を聴いている。
市教委の黒川弥寿夫教育部次長は「暴力は許されない。市教委への脅迫などもあったので、安全管理を見直したい」と話している。【村山豪、加藤明子】
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大津市教育長襲撃 いじめ問題の責任者 澤村教育長
産経新聞 2012年8月15日(水)15時27分配信
澤村教育長は、自殺した男子生徒が通っていた中学校の校長を平成18年4月から務め、20年に教育長に就任。前大津市長の退任に伴って一度辞任したが、今年2月に再任されている。
市教委関係者は「地元の教育行政に精通していたので再任をお願いした」と説明したが、別の関係者は「在任中に起きた自殺問題の対応にあたってもらうことが最大の理由だったのでは」と明かす。
ただ自殺が発覚した当初はいじめとの因果関係を認めず、今年7月に越直美市長が男子生徒の遺族との和解の意向を示した後も「家庭の問題も明らかにされるべきだ」などと発言。男子生徒が自殺した翌月には、市長の代理でオーストラリアへ視察旅行していたことが明らかになった。
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<大津市教委>「教育長の家に爆弾仕掛ける」脅迫電話
毎日新聞 2012年8月15日(水)23時18分配信
15日午後1時35分ごろ、大津市教委に男の声で、「沢村憲次教育長の家を知っているから、爆弾を仕掛けに行く」と電話があった。通報を受けた滋賀県警大津署は沢村教育長の自宅など周辺のパトロールを強化するとともに、脅迫事件として捜査を始めた。
同署や市教委によると、男は応対した学校教育課の職員に「脇差し(小刀)も持っている」などと話し、名乗らず、一方的に電話を切ったという。【加藤明子】