現場と市教委の調整、改善を 広島市長、いじめ事件で要望

現場と市教委の調整、改善を 広島市長、いじめ事件で要望
産経新聞 2012年8月22日(水)7時55分配信

 広島市安佐南区の中学校で、中3の男子生徒(15)が胴上げで同級生に膝蹴りされ重傷を負った事件で、広島市の松井一実市長は21日の記者会見で「非常に残念だしショック」と述べるとともに、学校現場と市教委の調整が十分でなかったとして改善を要望していることを明らかにした。尾形完治教育長も「不十分な対応があった」と市教委の不手際を認めた。

 松井市長は「いじめかどうかについて、トータルで判断するシステムになっていない」と現状の問題点を指摘。さらに「学校への指示だけでなく、後のフォローも十分行い、市教委も必死になっている姿を見せることで、地域ぐるみの予防措置につながるようにもお願いしている」と強調した。

 また、加害者の生徒が逮捕されるまで教育主事を市教委が派遣しなかったことなどについて、尾形教育長は「学校側からは(事件以前のいじめは)暴力行為としての報告だった」としながらも「いじめなどの点では対応が不十分だった」と述べた。

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広島・いじめ中3逮捕:市教育長、責任認める 「対応不十分」 /広島
毎日新聞 2012年8月22日(水)15時57分配信

 安佐南区の広島市立中学校の男子生徒(15)が同級生の男子生徒(15)の腰の骨を折る大けがをさせたとして傷害容疑で逮捕された事件で、広島市教委の尾形完治教育長は21日の市長定例記者会見の席上、「対応が不十分だった」として、事前にいじめを把握できなかった責任を認めた。
 市教委によると、逮捕された生徒は昨年5月と今年2月、被害生徒の顔を殴るなどし、学校は保護者を呼んで指導したが、2月の分のみを暴力行為として市教委に報告。市教委は生徒の逮捕前、いじめ事案との認識がなかった。大津市立中2年の男子生徒が自殺した問題を受けて、市教委が校長を集めていじめ防止策などを話し合った直後に事件が発覚。事件後には各校へいじめ防止の徹底を求める通知で済ませた。
 大津市の問題後、加害生徒の出席停止を検討する自治体もあるが、広島市教委は積極的な出席停止は見送る方針。尾形教育長は「いじめで苦しむこどもが一人もいないように全力で取り組みたい」と話した。【中里顕】

8月22日朝刊

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