<いじめ>調査の第三者機関、7自治体が常設
毎日新聞 2012年8月23日(木)23時57分配信
いじめが起きた時に調査し、対応を勧告する第三者機関を常設しているのは47都道府県・20政令市で7自治体あることが毎日新聞の調査で分かった。設置を「検討中」「検討課題」とするのも8自治体あるほか、政令市以外の自治体でも設置が進んでいる。大津市の市立中学2年の男子生徒が自殺した問題では、学校の調査がずさんだったことが判明。教育現場でいじめが多発する中、第三者機関を常設する動きは今後広がりそうだ。
第三者機関は有識者らで構成し、教育委員会や市長・知事部局から独立して設置される。
既に設置しているのは、秋田県▽埼玉県▽神奈川県▽札幌市▽横浜市▽川崎市▽浜松市。浜松市は7月に市教委内に設置した。大阪府と京都市は、弁護士や医師、臨床心理士らの専門家チームを派遣し、解決を支援する。設置を「検討中」「検討課題」としているのは、青森県▽滋賀県▽京都府▽大阪府▽鳥取県▽広島県▽仙台市▽北九州市。
大阪府の陰山英男・教育委員長は7月の教育委員会議で「いじめが一線を越えて犯罪になっても学校には捜査権がない。教育委員会が隠蔽(いんぺい)組織と思われるのも歯がゆい。第三者機関に(いじめの調査を)委ねることの是非を、府議会や府民にも一緒に考えていただきたい」と提言した。
政令市以外では、富山県射水市が今年6月に設置した。兵庫県赤穂市では、小学6年の男児に中学生が暴行する様子がインターネット上に掲載される問題があり、同市教委は第三者機関を常設する方向で検討している。
常設ではなく、大津市のように問題が起きた場合に個別に第三者委員会を設置するケースもある。大津市の外部調査委員会は25日に初会合を開く。委員は教育評論家の尾木直樹・法政大教授ら6人。年内をめどに報告書をまとめる。