公立全校に「いじめサポート班」 福井、防止へ対策委員会も常設
福井新聞ONLINE 2012年9月11日(火)18時39分配信
福井県教委は11日、県庁で定例会を開き、いじめの兆候が見られた場合、校長のリーダーシップの下、即座に対応に乗り出す「いじめ対応サポート班」を、新たに県内の全公立小中学校と県立学校に設置する方針が示された。未然防止に向けた「対策委員会」も全校に常設する。
大津市の中2男子自殺などを受けた措置。県教委が改定を進めている「いじめ問題対応の手引」の改定案に盛り込んだ。
サポート班は、校長や教頭、生徒指導主事、学年主任、養護教諭らで組織。いじめが起きたり、兆候が見られた場合に▽個別事案に対する対応策の検討▽保護者や地域社会との連携▽個別面談による情報収集▽気がかりな子どもに関する事例検討会の開催―など、対応方針を決定し担任をサポートする。
現行の手引でも各校に対して同様の対応は求めているが、「校長がリーダーシップを取り組織的に対応する」(県教委)体制をより明確に打ち出した。必要に応じてスクールカウンセラーや関係機関、校内の生徒指導部会や学年会とも連携を図る。
対策委の設置は、現行の手引では指導体制の参考例として示されていたが、改定案では「組織を挙げて取り組む指導体制を確立する」として設置を明記した。
サポート班に担任を加えたメンバーで構成。▽いじめが起きない学校、学級づくりのための「こころの居場所づくり」▽計画的な教育活動▽発見のための情報交換と連絡体制づくり―などの協議を行い未然防止に向けた対策を決定、実行する。
校長(教頭)の役割として「いじめを許さない学校づくりの基本方針を明確に示す」との文言を新たに加えた。
手引には、いじめ対応の事例編として、インターネットや発達障害に絡む7事例を新たに追加する考え。今後、小中高校長会、市町教育長会議で手引案を示し、意見を反映した上で9月中に作成、各校に配布する。