小学生の暴力、過去最多7175件 ネットいじめ、割合増 問題行動調査

小学生の暴力、過去最多7175件 ネットいじめ、割合増 問題行動調査
産経新聞 2012年9月12日(水)7時55分配信

 文部科学省が11日に発表した問題行動調査で、小学生の暴力行為は前年度比83件増の7175件で過去最多となった。現在の方法で調査を始めた平成18年度は3803件で、5年間で1・8倍に。専門家からは「子供の成長が早くなり、小さい時期から問題行動が見られるようになったのではないか」との指摘も出ている。

 内訳は子供同士の暴力が4498件、器物損壊1381件、教員への暴力が1132件など。大半は学校内で起きた。加害児童数は前年度比168人増の6799人。うち、警察による補導や児童自立支援施設への入所などの措置を受けたのは159人だった。

 学校側の対応は、被害者に謝罪するよう指導する、ルールを守るよう教えるといったケースが多かった。中学生の暴力行為は前年度比3705件減の3万9282件。高校生は784件減の9442件だった。

 一方、大津市の中2男子自殺を受け、今回の調査で注目されたいじめ。把握した学校は38・0%で、3・3ポイント減。小学校が3万3124件、中学3万749件、高校6020件、特別支援学校338件だった。

 内容(複数回答)は「冷やかしや悪口」の65・9%、「軽くぶつかる、たたかれる」22・3%、「仲間外れ、無視」19・7%が多かった。

 「パソコンや携帯電話で誹謗(ひぼう)中傷や嫌なことをされる」といういわゆるネットいじめは2992件で59件減少したが、認知件数全体に占める割合は4・3%で0・4ポイント増加した。

 相談相手は、学級担任が69・5%で最も多く、保護者や家族(31・4%)、担任以外の教職員(14・7%)、友人(9・7%)と続いた。「誰にも相談していない」も8・8%いた。

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児童生徒の自殺200人台 25年ぶり 「いじめ原因」4人
産経新聞 2012年9月12日(水)7時55分配信

 平成23年度に全国の小中高校から報告があった児童生徒の自殺者数は前年度より44人増加し、200人となったことが11日、文部科学省の問題行動調査で分かった。平成に入って以降は100人台で推移しており、200人以上となるのは25年ぶり。ただ、いじめが原因とみられるのは前年度と同じ4人だった。一方、いじめの認知件数は約7万件で前年度より約7千件減少。現行の調査方法となった18年度以降、最も少なくなった。

 児童生徒の自殺者数は、高校で前年度より45人も増加し、157人。小学校でも3人増え4人、中学校では4人減って39人だった。

 自殺した児童生徒が置かれていた状況は、最も多かった「不明」(58%)を除くと、「父母の叱責」(12%)、「進路問題」(10%)などが多かった。「いじめの問題」は、昨年10月の大津市の中2男子を含め中学校で4人だった。

 文科省は、高校で大幅に増加した理由について「背景が『不明』という回答が半数以上で分析できない。今後は背景調査の徹底を求め、効果的な対策を取っていきたい」としている。

 警察庁の統計では、集計時期が異なるものの23年に自殺した小中高生は353人と開きがある。

 同省によると、事故死にしてほしいと望む遺族に配慮するケースなどがあるためという。

 一方、いじめの認知件数は7万231件で、前年度より7399件減少した。

 いじめ認知に有効とされるアンケート実施率が前年度よりやや低下したほか、都道府県別で児童・生徒1千人当たりの件数は、最大54倍の開きもあったことから、文科省は「いじめの認知が不十分な地域があるのではないか」とした。

 都道府県別では熊本が32・9件で最多。最少は佐賀で0・6件だった。

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