恐喝:同級生から脅し取った疑いで書類送致 学校、いじめと判断せず−−置賜の中学 /山形
毎日新聞 2012年9月12日(水)12時48分配信
置賜地方の中学校で昨年9月、当時2年の男子生徒が同級生の男子生徒から計3万円を脅し取ったとして、県警が今年2月に被疑者の生徒を恐喝の非行内容で書類送致していたことが10日、分かった。被害を受けた生徒の保護者が学校に相談したことで発覚したが、同校や地元教育委員会は「いじめ」と判断せず、県教委の統計にも挙げられていなかった。
地元教育長によると、昨年9月末、当時2年の男子生徒の母親から中学校に「息子が同級生から金を取られている」と相談があった。担任教諭らが脅し取ったとされる生徒から話を聞いたが、生徒が「やっていない」と否認したため、保護者と学校は警察に相談。警察の捜査が始まった10月初め、生徒は一転して9月の約1カ月間で3回にわたり計3万円を脅し取った事実を認め、謝罪したという。
県警少年課は、恐喝が繰り返されていたことなどからいじめを背景とした恐喝事件と認定して事件処理。関係者によると、生徒は恐喝罪で家庭裁判所で審理中。
一方で、学校や地元教育委員会には「いじめ」との認識はなかった。地元教育長は「文部科学省の指針に従えば金を奪われたという時点でいじめと認識するべきだが、今回はそう認識していなかった。保護者が早く気づいてくれたことで最悪の事態は免れたが、一歩間違えればエスカレートしかねない状況だった。今後は危機感を持って指導に当たりたい」と話した。
県警少年課によると、今年に入り、電話やメールなどでいじめに関する5件の相談が警察に寄せられているという。【前田洋平】
9月12日朝刊