<川西いじめ自殺>生徒の両親 高校の対応に怒り

<川西いじめ自殺>生徒の両親 高校の対応に怒り
毎日新聞 2012年9月18日(火)13時27分配信

 いじめを受けていた兵庫県川西市内の県立高校2年の男子生徒(17)が今月2日に自殺した問題で、自殺した男子生徒の両親は17日、毎日新聞などの取材に応じ、深い悲しみや高校の対応への怒りを語った。男子生徒は中学生の時にいじめ防止の標語で生徒会から優秀賞を受けており、母親は「こんな標語を作っていた子がどうして」と涙を浮かべた。【高瀬浩平】

 賞を受けた標語は「あなたの手 たすけてあげる ひとつの手」。表彰状は自宅の棚に飾ってあった。

 両親によると、いじめをした同級生3人は今月15〜17日、自宅を訪ねて「申し訳ありませんでした」と謝罪したという。3人が男子生徒に「無視された」と感じた場面があったことを契機に、男子生徒のことを「無視」と同音の「虫」と呼ぶようになった経緯や、消しゴムを投げつけたり、筆箱を取り上げるといったいじめをしたことを聞き出した。3人とも頭を下げたが、両親には「反省の気持ちは感じられなかった」という。

 父親によると、今月中旬、教室の男子生徒の机の上に、ユリの花を飾ってほしいと両親が学校に申し出たところ、校長は「生徒がショックを受ける。別の生徒がこの机を使うこともある」と一度は拒んだという。父親は「見て見ぬふりをした生徒も、何もできなかったことを反省して人生をしっかり歩んでほしい」と話すと、校長は受け入れ、花と遺影が飾られた。

 父親は「態度がどんどん変わる。言葉が信じられなくなってきた」と不信感を募らせている。

 ◇いじめとの関連「判断できない」全校集会で校長

 兵庫県川西市の男子生徒が通っていた高校で18日朝、臨時の生徒集会が開かれた。

 集会は非公開で、全校生徒約800人が参加。校長は「調査の結果、いじめがあった。『いじり』もいじめになることがあるのでよく考えてほしい。自殺との関連性は判断できない」と語ったという。

 高校によると、男子生徒の自殺後、「亡くなったことを考えるとつらい」などの理由で数人が休みがちになっている。【藤顕一郎】

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