<中1自殺>いじめ苦? 校長「原因の可能性高い」 東京
毎日新聞 2012年9月28日(金)21時53分配信
東京都品川区の区立中学1年の男子生徒(12)が26日、自宅で自殺していたことが警視庁大井署などへの取材で分かった。28日夜に記者会見した校長によると、生徒は持ち物を壊されたことがある他、同級生から「ばか」「消えろ」と暴言を浴びせられていたと他の生徒が証言。校長は「いじめはあり、それが死につながった可能性が高い」と認め、遺族に謝罪した。
同署によると、26日午後7時半ごろ、生徒が自室の2段ベッドの手すりにひもをくくりつけ、首をつっているのを母親が発見し、119番した。机の上には「さようなら」と走り書きした遺書のようなメモが残されていたという。
生徒は両親と3人暮らし。この日、普段通りに登校し、午後4時ごろ帰宅した。直後に母親は買い物に出たため、自宅は生徒1人だったという。
校長の説明では、男子生徒は今年4月下旬、「シャープペンシルがなくなった」と担任の男性教諭(55)に訴え、5月には「シャーペンが壊された」と2回相談。担任はクラスを指導し、再発はなかったという。
だが、男子生徒の自殺を受け、学校が学年190人全員に実施したアンケートや面談、聞き取り調査では、複数の生徒から「ばか」「消えろ」などと悪口を言われていたという証言が寄せられた。
校長によると、男子生徒はフットサル部に所属し、パソコンが堪能。おとなしくて優しい性格だった。遺族とは28日の午前、午後に計2回面会して学校側の力不足を謝罪。遺族は「なぜこんなことになったのか教えてほしい」「調査を徹底してやってほしい」と訴えたという。
校長はシャーペンが壊された時点では「いじめという認識はなく、悪ふざけと思っていた」といい、「十分に配慮してこられなかった。反省している」と対応を謝罪した。【黒田阿紗子、大沢瑞季、斎藤有香】