兵庫・高2いじめ自殺 「腐った」学校の無責任対応

兵庫・高2いじめ自殺 「腐った」学校の無責任対応
週刊朝日 2012年9月27日(木)7時16分配信

 これだけ全国的にいじめ問題が注目されているというのに、また学校の無責任対応である。兵庫県川西市の県立高校2年生の男子生徒(17)が9月2日に自殺した事件で、学校側が両親に「自殺を不慮の事故にできないか」と電話で打診していたことが判明した。

 男子生徒は同級生から「虫」や「菌」と呼ばれ、いすの上に蛾の死骸を置かれるなどのいじめを受けていた。学校側は「隠す意図はなかった」と釈明したものの、県教委が学校側に「隠蔽」を「提案」したことや、生徒指導の教員が「(男子生徒の)両親が理解してくれない。このままでは学校がつぶれる」などと暴言を吐いていたことも発覚。遺族や保護者から不信の声が上がっている。

 学校は19日、非公開で全学年の保護者を対象とした説明会を行った。週刊朝日が入手した録音テープからは、まるで危機感が感じられない口調で応対する校長に対し、保護者側からは時に怒号も飛び交い、混乱する会場の雰囲気が伝わってくる。説明会の終盤には、こんな質問も飛び出した。

保護者「2年生の先生方は、なぜこの場にいないんですか?」
校長「私が2年生の先生方の代表ということで、私が先生方から聞いてきた話を、保護者の方に伝えるという気持ちでここに座っております」

 自殺した生徒の父親は、「学校側の説明は遺族としては納得できない。今後は第三者機関にお願いして、真実を明らかにしたい」と、被害届を出す考えもあるという。兵庫県警も「どのような捜査ができるか、情報を収集し注目している」(捜査関係者)というだけに、今後、刑事事件に発展する可能性も高い。

 自殺した生徒の母親は、説明会後に開かれた記者会見でこう訴えた。「この学校は腐ってる。膿(うみ)を出していかなければいけないと思います」

※週刊朝日 2012年10月5日号

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