いじめ損賠訴訟:「いじめ被害」で和解 前橋市、元生徒側に解決金 /群馬
毎日新聞 2012年10月3日(水)15時6分配信
前橋市の市立中学校に通っていた女性(18)が、同級生からいじめを受け対人恐怖症とPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったのは学校が適切な対応を取らなかったためだとして、同市を相手取り4686万円の損害賠償を求めた訴訟は2日、市が「遺憾の意」を示し解決金100万円を支払うことで和解が成立した。
訴状によると、女性は中学2年だった07年2学期ごろからクラス内でいじめを受け、3学期から不登校になり自殺未遂を図るなどした。
和解条項で、市側は女性に対し(1)07年2学期のいじめ(2)3学期以降不登校になったこと(3)現在PTSDなどに罹患(りかん)していること−−について遺憾の意を示した。女性側が求めていた、いじめと不登校やPTSD発症の因果関係についての文言は盛り込まれなかった。
父親は報道陣に対し、「訴訟継続は現在入院中の娘にとって精神的な負担が大きすぎると判断したが、市教委から最後までなんの謝罪もなく寂しく思う」と話した。山本龍市長は「今後もいじめ問題の対策に万全を期したい」とコメントした。【塩田彩】
10月3日朝刊