いじめ兆候ここに注目 京都府教委がハンドブック

いじめ兆候ここに注目 京都府教委がハンドブック
京都新聞 2012年10月12日(金)23時9分配信

 京都府教育委員会は、教職員向けのいじめ対応ハンドブックを作成し、小中高校、特別支援学校の全教職員に12日配布した。大津市で中2生徒が自殺した問題を受けた緊急対策で、いじめの早期発見につなげる79項目のチェックリストを盛り込んだ。
 府内各教委で活用する1996年作成の対策マニュアルを全面的に見直した。B5版全16ページで、京都市と国立・私立を除く教職員と各教委に計2万3千部を配った。
 チェックリストは「登校時」「部活・学校行事」などと8場面に分けて列記。「始業時間ぎりぎりの登校」は教師不在の教室を避けているのではと考えられ、「ほかの子どもより早く登校する」のは集団登校でのいじめの可能性を示す。「必要以上のお金を持っている」のは金品を要求されて親の金を盗んだ可能性を疑うきっかけとなるという。
 最近の特徴について、加害者が遊び半分で後ろめたさや罪の意識が弱く、いじめを認めなかったり、被害者が孤立化への不安からいじめを否定するケースもあると指摘した。
 被害者に共感して寄り添うことの大切さを強調し、加害者が認めない場合は行為の事実を積み上げ、いじめに至った心情を振り返らせるとした。クラスメートなど当事者以外もいじめの抑止力になるとして、情報提供者に迷惑が及ばないよう配慮すると約束することなどを求めている。
 事実関係の把握は複数の教員で迅速に対応することや、暴行・恐喝といった犯罪行為は警察と連携する必要性も指摘。加害者の出席停止も明記した。

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