(朝鮮日報日本語版) 特殊学校元教諭の性的暴行、同僚が知りながら放置

(朝鮮日報日本語版) 特殊学校元教諭の性的暴行、同僚が知りながら放置
朝鮮日報日本語版 2012年10月12日(金)10時56分配信

 忠清南道天安市の特殊学校「仁愛学校」の教諭が、知的障害のある生徒たちに対し性的暴行を加えていた事実を、同僚の教諭らも知りながら捜査機関に届け出ず、黙認していたとして、教育当局に摘発された。同僚の教諭らは2010年10月ごろ、被害に遭った生徒たちから性的暴行についての情報を得ていた。ところが、警察の捜査はそれから1年以上たった昨年11月にようやく着手された。同僚の教諭らが、性的暴行の事実を把握してすぐに警察に届け出なかったため、生徒たちは1年以上、性的暴行を受け続けたことになる。

 忠清南道教育庁(教育委員会に相当)は11日、校内での性犯罪について把握しながら、すぐに届け出なかったとして、仁愛学校の教諭2人と生活指導員(非正規職員)2人に対し、総額160万ウォン(約11万円)=教諭1人当たり60万ウォン(約4万2000円)、生活指導員1人当たり20万ウォン(約1万4000円)=の過料を科した、と発表した。児童・青少年の性の保護に関する法律は、学校などの教育機関に勤務する者が、児童・生徒を対象とする性犯罪が発生した事実を把握した場合、直ちに捜査機関に届け出るよう定めている。これに違反した場合、300万ウォン(約21万円)以下の過料を科せられる。今回、過料を科された教諭2人は、定職3カ月の懲戒処分を下された後、復職していた。また、生活指導員1人はすでに退職し、もう1人は現在も勤務している。

 女性家族部(省に相当)が、国会法制司法委員会の金学容(キム・ハクヨン)議員に提出した資料によると、10年1月に現行法が施行された後、性犯罪について届け出なかったことが発覚し、過料を科された学校は、仁愛学校が初めてだという。教育当局の関係者は「児童・生徒が性的暴行を受けたことを知りながら、学校や教師がこれを隠蔽(いんぺい)する悪習のため、警察に届け出ていないケースはかなり多い。とりわけ、障害のある子どもたちは、被害に遭った事実を自ら訴えることが困難なため、教師や学校が普段から、児童・生徒たちをしっかり観察し、被害に遭った事実を把握した場合は直ちに届け出なければならない」と話した。

 だが、教育界では「摘発されても、過料が最大300万ウォンにすぎないため、性犯罪の隠蔽を防ぐのは難しい」と指摘する声も出ている。

 仁愛学校の元教諭L被告(47)は10年5月以降、障害のある教え子たちに対し、性的暴行を加えたり、わいせつな行為をしたりしたとして起訴され、先月に懲役20年の一審判決が言い渡された。一方、生活指導員2人と同僚の教諭2人は10年10月ごろ、被害に遭った生徒たちから性的暴行について話を聞き、事実を把握していたが、これを警察に届け出なかった。

 その後、L被告の犯行は、映画『トガニ 幼き瞳の告発』や原作小説を通じて世間に知られた、光州市の聴覚障害者向け特殊学校「インファ学校」での性的暴行事件を受け、教育当局や市民団体が特殊学校に対し合同で調査を行った際に発覚した。

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