森口氏の論文・研究、東大病院などが検証開始

森口氏の論文・研究、東大病院などが検証開始
読売新聞 2012年10月15日(月)17時36分配信

 iPS細胞(新型万能細胞)から心筋の細胞を作り、患者に移植したと虚偽の発表をした森口尚史(ひさし)氏(48)の過去の研究について、東京大学医学部付属病院と東京医科歯科大、杏林大はそれぞれ調査チームや調査委員会を設け、論文や研究内容に実態があったかどうか、検証を始めた。

 東大病院が調査チームを設置したのは12日。教職員5人で構成される。森口氏は同病院の特任研究員で、国から助成を受けた研究プロジェクトのうち、細胞や臓器の凍結保存技術の開発補助を担当している。調査チームは、森口氏から聞き取り調査などを行い、過去の論文や研究そのものを検証する。

 また、森口氏の出身大学である東京医科歯科大学も15日、調査委を設立した。虚偽発表された研究内容の共同執筆者の佐藤千史(ちふみ)教授らが、共著者となった理由や共著の妥当性を調べる。論文の草稿の共著者だった上村隆元講師が所属する杏林大も15日、学内に調査委員会を設け、経緯などを検証する。読売新聞の取材に上村講師は「なぜ私の名前が使われたのかわからない」としている。

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