(朝鮮日報日本語版) ソウル大学大学院、横暴な教授たちの実態が明らかに

(朝鮮日報日本語版) ソウル大学大学院、横暴な教授たちの実態が明らかに
朝鮮日報日本語版 2012年10月21日(日)8時55分配信

 「研究に問題がなくても教授に嫌われれば、卒業できない。ある学生は9年間も卒業を認めてもらえなかった末、刃物を持って教授の部屋に押し掛けたという話もある」

 ソウル大学人権センターは10日、教授と大学院生の間で行われている慣習の悪影響について調査した結果を発表した。これまで、教授の横暴な行為を指摘した大学院生が個人的に証言するケースは多かったが、学校側を通じて公式に問題が提起されたのは今回が初めてだ。

 調査対象は同大の大学院生約1380人で、このうち約30人に対しては、個別に詳細な聞き取り調査が行われた。

 大学院生の41.6%は、教授が怠慢な授業を行い、学習・研究の権利を侵害されたと回答した。教授たちは、個人的な事情を理由に授業時間を変更し(26.8%)、業務を理由に大学院生を授業に出席させない場合もあった(18.4%)。教授が特定の授業の履修を強要したり、逆に履修を禁じたりするケースもあった(17.1%)。

 ある大学院生は「指導教授が、自分の嫌いな他の教授の授業の履修を禁じる。ニューライト(韓国での新しい右翼活動)系列の教授の授業を履修すると嫌われる」と話した。

 「教授や先輩の論文を代筆した」という回答も16%に上った。重要な学会誌に提出する論文だけを本人が執筆し、研究実績を埋めるための論文は、助教(教授の雑務を手伝う大学院生アルバイト、日本で言う「助教」とは異なる)たちに書かせるという。学生の論文の共同研究者として名前を載せる教授もいた。人権センターの関係者は「博士課程の学生が修士課程の学生に論文を代筆させるケースも多かった」と話した。

 大学院生に贈り物の提供を強要する教授も8.9%に上った。ある大学院生は「(論文の)審査費の名目で、指導教授に数百万ウォン(数十万円)の現金を、他の審査委員たちには数十万ウォン(数万円)ずつ商品券を贈った」と話した。
 教授たちの研究費流用問題も指摘された。大学院生のうち約10.5%が「教授から研究費流用の指示を受けた」としているが、工学部での研究費流用の指示が40件と最も多かった。

 ある大学院生は「プロジェクトやBK21(国家が推進した高等教育人材養成プログラム)事業などで、学生名義で支給される人件費は1000万ウォン(約70万円)以上だったが、このうち支給されたのは一部だけだった」と話した。

 教授が大学院生に不適切な個人的業務を行わせるケースもあった。ある大学院生は「海外出張に行った教授の留守宅に行き、犬に餌を与えた」と言った。「教授の息子の誕生日パーティーで風船を膨らませたり、教授の妻の航空券を予約したりしたこともあった」と話す学生もいた。

 大学院生たちの中は、行事に強制的に動員されたり(28.1%)、教授から暴言を受けたりするケース(18.9%)も多かった。ある大学院生は「先生が博士課程の学生だけを呼んで酒を飲んだ際、学生たちをひざまずかせて殴った。殴る対象は、主に博士論文の審査を目前にした学生など、教授に対して弱い立場の学生たちだった」と話した。

 教授から性的に見下すような発言をされたという大学院生も19.8%に上った。ある大学院生は「女は頭が良くないから、どんなに勉強しても立派な人にはなれない、と言われた。酒の席で教授が、女子の大学院生を抱き寄せて胸を触ったこともあった」と話した。

 チョン・ジンソン人権センター長は「大学院生にとって、指導教授との関係がうまくいかないのは人生を左右するほど重大なことなのに、指導教授に見放された場合、どこにも受け入れてもらえないなど不合理な点が多い。現在、個別の学部や学科との協議を通じ、学則改定も検討中だ」と話している。

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