「いじめられた」2900人 中高生アンケート 奈良

「いじめられた」2900人 中高生アンケート 奈良
産経新聞 2012年10月20日(土)7時55分配信

 ■県教委「非常に大きな数」

 県教委は19日、県内の国公私立の中高生ら約8万2400人を対象にしたいじめのアンケート調査で、約2900人が「いじめられたことがある」と回答したと発表した。有効回答全体の約3・7%に上り、県教委は「非常に大きな数」としている。

 アンケートは、大津市の中2男子が自殺した問題を受け、県内の国公私立の中学、高校のほか、特別支援学校や高専も含めた183校の生徒に実施。有効回答のあった7万9274人のうち、2903人が「いじめられたことがある」と回答した。

 文部科学省の昨年度の調査では、県内の学校側のいじめ認知件数は272件で10倍以上の格差があり、生徒側と学校側の認識にずれがあることも浮き彫りになった。

 また県教委は、文科省が全国の公立学校を対象にしたいじめの緊急調査について、県内では今年4月以降、いじめの認知件数は計6721件だったと発表した。児童・生徒の生命や安全が脅かされる恐れがある事案も5件含まれていた。

 5件の内訳は、小学校1件▽中学校3件▽高校1件。身体的暴力や性的暴力のほか、思い詰めた中学生が手首を切り自殺未遂を図ったケースもあるという。

 県内の調査対象は、全公立小中高校と特別支援学校計359校。いじめを受けた経験の有無や、内容などを尋ねた。

 県教委によると、いじめの認知件数6721件のうち、冷やかしや悪口を言われたとする内容が最も多く、回答全体の約6割を占めた。

 県教委は「どんな小さなことでも『いじめられた』と感じる子供の気持ちを第一に考え、いじめを絶対に許さない学校づくりに向けた取り組みを進める」としている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする