堀越学園・解散命令へ:07年度から破綻状態 コンサルタント会社「支払い遅延、常態化」 /群馬
毎日新聞 2012年10月27日(土)11時30分配信
文部科学省が今年度末までに解散命令を出す学校法人堀越学園(高崎市、大島孝夫理事長)が、07年8月時点で「破綻状態」とコンサルタント会社に指摘されていたことが26日、学園関係者への取材でわかった。東京地裁に提訴された賃料請求訴訟で、このデータを引用して財務状況を説明した学園名の書面が証拠として採用されている。
コンサルタント会社は、07年8月時点で、学校存続の条件をつけずに算出する資産の「清算時価」が23億7000万円と説明、負債額と比較して11億6100万円の「債務超過」になると指摘している。書面では「07年度の財務状況は実質的に破綻状態で、毎月の運転資金が枯渇、支払い遅延が常態化しており、破綻的な状況」などと述べている。
同学園は、04年4月に既設の芸術系短大などを母体に創造学園大を開学、06年4月には高崎医療技術福祉専門学校を新設した。書面では「(03〜06年度の)急激な設備投資と業務損失補填(ほてん)を、流動資産12億2100万円と、負債の増加(借入金等)19億2100万円による資金調達でまかなってきた結果、多額の財産を失った」と述べている。
文科省は、同学園に対する解散を命じる理由の一つとして、「学校の経営に必要な財産を有していない」ことをあげているが、この状態がかなり前から常態化していたとみられる。【増田勝彦】
◇「学生の今後、非常に心配」−−吉野教育長
県教委の吉野勉教育長は26日の定例記者会見で、「学生の今後が非常に心配。子供たちに不安を抱かせ、進路に対しても影響のある事態になったのは大変なこと」と述べた。一方で、創造学園大に通う学生の支援については「県教委は大学そのものを管轄していない。編入なり転入学なり、直接的には(支援は)考えつかない」と語った。
また、専門学校と幼稚園についての相談窓口として開設した県のホットライン(027・226・2143)には同日午後5時半時点で、幼稚園や専門学校の保護者、生徒本人から計13件の相談が寄せられたという。【喜屋武真之介】
10月27日朝刊