<大津中2自殺>「親の知る権利」を遺族が文科相に要望
毎日新聞 2012年10月30日(火)14時18分配信
大津市で昨年10月に自殺した市立中学2年男子生徒の父親(47)が30日、文部科学省を訪れ、いじめなどが起きた際に学校が実施するアンケート結果を、被害を受けた子の保護者に開示する「親の知る権利」を確立するよう田中真紀子文科相宛てに文書で要望した。
要望書は、全国で相次ぐいじめや自殺を巡り、学校のアンケートが開示された例が少ない現状に触れ「大津の事件では遺族に一部開示され、結果が衝撃的で社会に影響を与えた」と指摘。「いじめを根絶し、二度と悲劇を繰り返さないため、親の知る権利が確立されるべきだ。保護者が学校の持っている情報の開示を求め、教諭と情報を共有できる仕組みが必要」と提言している。
父親は、対応した初等中等教育局の布村幸彦局長に要望書を手渡し「学校から情報を知らされず、いじめと自殺が関係ないと断定されるのはつらい。調査結果を遺族に知らせると客観性や中立性を損なうとしている文科省の指針がおかしい。アンケート結果はいじめに立ち向かう人にとって大切な資料。大津の例が当然になるようにお願いしたい」と約45分間訴えた。布村局長は「教師と遺族が一体となって再発を防止する流れになるよう検討したい」と応じた。【千葉紀和】