羽生高校欠員補充、前年の問題で入試 英語1教科 気付かず配布、回収

羽生高校欠員補充、前年の問題で入試 英語1教科 気付かず配布、回収
埼玉新聞 2012年11月2日(金)23時35分配信

 県立羽生高校(羽生市加羽ケ崎、野口馨校長)で今年3月に実施された2012年度県公立高校入学試験で、夜間部の欠員を補充するために行われた英語の試験問題の印刷を誤り、11年度に使用した問題で実施して合否を判定したことが2日、分かった。受験した生徒13人全員が合格したものの、同校は「印刷の段階で間違った。不適切だった」としている。 

 同校は単位制の普通科校で、昼間部と夜間部(定時制)の2部制を敷いている。夜間部の12年度入試は募集定員40人に対し、13人が受験。全県一斉の国語、数学、社会、理科、英語の5教科の学力検査に臨み、全員が合格した。27人の定員割れとなった欠員補充試験にも13人が受験。国語、数学、英語の3教科の学力検査が実施された。

 同校などによると、試験当日、管理職が誤って11年度の英語の問題を13人分コピーし、試験監督をした教諭2人も気付かないまま配布、回収した。国語と数学は12年度の問題で行われた。採点時に英語が11年度の問題であることに気付き、5月に県教育委員会に報告した。

 11年度の入試で同校を不合格となり、再び受験した生徒はいないという。同校は「印刷(コピー)の段階で気付かなければいけなかった」としながら、「欠員補充の試験は学校が独自に問題を作成しており、前年度と大幅に内容を変更することは少ない。11年度の問題は全て回収し、外部に漏れていない。受験した13人は全員合格しており、受験生に不利益はなかった」との見解を示している。

 県教育局高校教育指導課は「過去の問題や前年度と同じ問題を使用してはいけないという決まりはない。今回のケースは、新しい問題を作成しながら前年度の問題を使ってしまったという内部ミスだが、注意をするように指導した」と話している。

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