小田原でも通知表記載ミス防止の事前確認、「確認表」作成し保護者に/神奈川

小田原でも通知表記載ミス防止の事前確認、「確認表」作成し保護者に/神奈川
カナロコ 2012年11月7日(水)5時0分配信

 通知表の記載ミスを根絶するため、小田原市立中学校全11校が通知表から出欠席日数や特別活動などを移した「確認表」を作成し、事前に保護者に確認してもらう新たな防止策を前期に講じていたことが6日、分かった。その効果もあって「今回ミスの報告はなかった」(同市教委)としている。

 昨年10月、小田原市立の小中学校で通知表の記載ミスが大量に判明。今年1月には「事故調査委員会」がチェックシートや通知表相談日の実施などの防止策を取りまとめた。

 それでも2011年度後期分で、件数は減ったもののミスが再発。防止策の実施に当たり「作業時間が確保できない」などと課題を指摘する声が現場から出ていた。

 そこで、中学校の校長会が主体となり検討委員会を4月に設置。評価・評定など成績を中心とした通知表に変更し、出欠席日数や係、委員会、クラブの特別活動などを記録した確認表を別に作成、配布することを6月に決めた。

 市教委などによると、全11校が7月までに、この変更内容を保護者に通知。10月の前期終了日の数日前に確認表を事前に渡し、誤りや記載漏れの有無をチェックしてもらったという。

 10年度前期から発覚したミスの内訳は出欠席日数が大半だった。今回、保護者とのダブルチェック体制を導入したことで、4期連続した通知表ミスは食い止められた形だ。

 校長会会長の小林晃一・白山中校長は「学習状況を知らせるという通知表の目的に沿うように変えた。影響の大きい成績のチェックを重視し、誤りが起きないようにするために考えた」と話している。

 通知表に関する保護者への事前確認については、横浜市教委が「教師の責任放棄」「学校の信頼を損ねる」などの批判を受けて取りやめた。

 小田原市教委は「通知表の作成は校長の裁量権の範囲」などとして、今回の防止策を教育委員に報告していない。

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