館山の中2自殺:再アンケート 父「真実を書いて」 館山市教委を批判、記名式強行と /千葉

館山の中2自殺:再アンケート 父「真実を書いて」 館山市教委を批判、記名式強行と /千葉
毎日新聞 2012年11月7日(水)11時58分配信

 「悪口でもいい。当時、息子に何があったのか、知っていることを素直に書いてほしい」−−父は深々と頭を下げた。4年前、館山市の中学2年の男子生徒が自宅で自殺した問題で6日午後、同市コミュニティセンターで開かれた父親(57)の初めての記者会見。同市教委が県教委の指導で実施する記名式の再アンケートについて、「あまりに遺族感情を考慮しないまま強行された」と抗議する意思表明の場となった。【中島章隆】
 会見で父親は、自殺から4年後に再調査を市教委に求めたことについて「犯人捜しでも、教職員の責任追及でもない。損害賠償を求めるものでもない」と説明した上で「廃棄された4年前のアンケートは記名でも無記名でもよかった。それをやり直すのになぜ記名式にこだわるのか」と市教委を批判した。
 その一方で父親は「進学や就職を控え、アンケートは迷惑かもしれませんが、二度と息子と同じような子供を出さないため、無記名ででも真実を書いてほしい」と切々と訴え、当時の同級生らに協力を直接訴えざるを得ない心境を明かした。
 文部科学省国立教育政策研究所が今年6月に出した教員向け資料によると、いじめに関する学校側が実施する調査では「より正確な回答が得られやすい『無記名アンケート』を用いることが一番」と指導している。
 ◇市教委「無責任な記述防止」
 一方、自殺した男子生徒の同級生らに送付されたアンケート用紙に、回答者を特定できる文書番号をつけたことについて、館山市教委は「無責任な記述を防止するため」と説明した。
 同市教委によると、アンケートは「公文書」扱いで、市教委の内規で受取先を示す文書番号の付与を義務付けている。回答用紙には回答者ごとに異なる文書番号がつくため、無記名でも回答者が特定できる。市教委では「今回のアンケートでは追跡調査はしない」として、無記名の回答者の特定を避ける方針というが、同居の親族がアンケート対象という同市内の元会社員は「仮に無記名でも、これでは本当のことを書きにくい」と市教委の対応を批判した。
11月7日朝刊

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