アカハラ放置 九大提訴 准教授と妻の学生

アカハラ放置 九大提訴 准教授と妻の学生
西日本新聞 2012年11月9日 01:34

 九州大学が、アカデミックハラスメント(地位を利用した嫌がらせ)の苦情申し立てから2年半たっても一部しか結論を出さないため、精神的苦痛を受けたとして、同大准教授と妻の博士課程の学生が8日、同大に計60万円の損害賠償を求め、福岡簡裁に提訴した。九大は10月、として、大分県弁護士会から「苦情を迅速に解決すべきだ」と改善を要望されたばかり。

 訴状によると、30代の准教授と20代の学生は2007年に結婚。そのころから、准教授の上司で学生の指導教官だった教授が、2人や周囲に対し「女性には無理だから研究しなくていい」「准教授は大学の資金を私的流用している」などの発言を繰り返したという。

 このため2人は10年4月以降、大学のハラスメント対策委員会に15回、苦情を申し立てた。同委員会は2人から聞き取りをしたが、今年10月末になって苦情の一部について「ハラスメントは確認できなかった」と文書で通知。そのほかは結論が出ていないという。

 原告側は「大学には迅速かつ適切に救済措置を行うなどの義務があったのに、長期間放置されたため心身ともに苦痛を受けた」と主張。九州大は「訴状の内容を確認できていないのでコメントできない」としている。

=2012/11/09付 西日本新聞朝刊=

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