県美術展に不正出品 高校の元講師、卒業生の絵を“流用” 岐阜

県美術展に不正出品 高校の元講師、卒業生の絵を“流用”
岐阜新聞 2012年11月23日09:27

 県教育委員会は22日、県内の公・私立2高校で美術の非常勤講師を務めていた50代男性が、卒業生が制作したデザインや絵画計4点を、指導する在校生の作品だと偽って県美術展に出品し、うち3点が入賞や入選をしていたと発表した。在校生は出品を知らなかったり主体的な関与はしていなかったという。県教委は3点の受賞を取り消し、先月26日付で男性を免職とした。

 不正があったのは本年度と2010年度の「青年部」。応募は自作の未発表作品に限られているが、本年度はデザインの部で、勤務先の公立高に残されていた卒業生の作品3点(うち2点は作者不詳)を在校生3人の名前を勝手に使って出品、2点が入選した。10年度は絵画の部で勤務する私立高に掲示してあった卒業生の作品1点(作者不詳)に加筆するよう在校生に指導して出品させ、優秀賞を受けていた。

 卒業生の1人が9月、公立高校から持ち帰ろうとした自作に出品票や入選ラベルが張ってあるのを発見、県教委に事実確認を求めて発覚した。男性は県教委の調べに「出品作品がなくまずいと思った。加筆は問題ないと思っていた」などと語り、自身の評価への期待もあったと認めたという。県教委は出品責任者に誓約書を提出させて再発を防ぐ方針。

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