合意の上だった…内柴正人被告が改めて主張
読売新聞 2012年11月28日(水)11時54分配信
酒に酔って寝ていた教え子の女子部員に乱暴したとして、準強姦(ごうかん)罪に問われた柔道五輪金メダリストで九州看護福祉大(熊本県)女子柔道部元コーチの内柴正人被告(34)の公判は28日、東京地裁で被告人質問が始まった。
被告は弁護側の質問に対し、「部員から性的な行為をしてきたので、一緒にホテルに戻った」と述べ、合意の上での性交だったと改めて主張した。
内柴被告は、昨年9月に東京都内のカラオケ店で、部員が性的な行為をしてきたと供述。「ホテルで性交した時も嫌がる様子はなかった」と話した。また、その後にもう一人の女子部員と性交したとも述べた。
さらに内柴被告は、別の複数の女子部員から被害を受けたとされる部員との性交について問い詰められて、口止めしたことを認め、「自分の身を守る目的もあったが、部員のためにうわさが広まらないようにしようとも思った」と述べた。
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内柴正人被告公判 部屋を出たあと「別の女子学生と性行為」
フジテレビ系(FNN) 2012年11月28日(水)18時17分配信
教え子に対する性的暴行事件の裁判で、内柴正人被告(34)自身が初めて事件の夜について語った。28日の被告人質問では、別の女子部員との性行為についても言及したほか、涙を見せる場面もあった。
内柴被告自らが、法廷で初めて語る事件の夜の行動。
真っすぐ前を向いて法廷内へと入ってきた内柴被告は、証言台へと促されると、「はい」としっかりと答え、証言台の席に深々と座った。
自らの言葉で、「別の女性とも性行為をしました」と、新たな証言も明らかにした。
柔道のオリンピック金メダリスト・内柴正人被告は2011年9月、酒を飲んで酩酊(めいてい)状態になった柔道部の教え子である女子部員に、性的な暴行をしたとして、準強姦(ごうかん)の罪に問われている。
「酔って寝ている間に乱暴した」とする検察側に対し、内柴被告の弁護側は「合意のうえでの行為だった」と反論し、主張が真っ向から対立している。
これまでの公判では、当時、現場にいた元同僚が、「内柴被告が被害者にかぶさり、キスのようなことをしていた」などと証言している。
また事件後、「口裏を合わせてでも、かばってほしかった」とのメールが、内柴被告から送られてきたことを明かした。
また、後輩にあたる警察官に対しては、「事態を収めてくれないか」と依頼していたことなども発覚した。
そして、28日から始まった被告人質問で、内柴被告は、弁護人の「寝ている女子学生と性行為をしたのは?」との質問に、「事実ではありません」と起訴事実をあらためて否認した。
やがて、事件の夜、カラオケ店から出て、ホテルへと向かう際の様子を語り始めた。
内柴被告は「おんぶしたのですが、おんぶに乗っかってきました。(女子学生は起きていたということ?)はい。(女子学生の)手に力が入っている感覚がありました」と証言した。
ホテルの部屋に入る際も、「女子部員の意識ははっきりしていた」と説明する内柴被告。
さらに部屋に入った時のことについては、「おんぶしたまま、一緒にベッドに腰掛ける感じです。体を回して、正面を向いて、女子学生にキスをしました」と証言した。
内柴被告は、自らの行動について、終始、はっきりとした口調で説明した。
弁護側とやり取りをする内柴被告からは、あまり緊張感は感じられず、まるで気軽に会話をするような口調だった。
そして、内柴被告の説明は、「性行為が合意のうえでのものだった」とする主張へ入った。
内柴被告は「行為中に、『奥さんいるのにいいんですか?』、『ほかの学生ともしたんでしょう?』と、じらすようなことを言われました。(女子学生は了承していると感じた?)感じました。カラオケでの出来事、その後の流れ、キスに応じていることから、そう感じました」と証言した。
内柴被告は、その夜の一連の流れから、「合意のうえでの性行為だと感じた」と、あらためて無罪を主張した。
内柴被告は、くわしく説明を求められると、自ら「立っていいですか?」と証言台から立ち上がって、身ぶり手ぶりを交えて説明をした。
このあと、内柴被告は、さらに驚きの行為について語った。
内柴被告は、女子部員の部屋を出たあと、別の教え子の部屋を訪ねたといい、「(別の女子学生と)性行為を始めました。嫌がりはしませんでした」と証言した。
被害女性との性行為に及んだ直後、以前から好意があることを告げられたとする別の女子学生の部屋を訪ね、再び性行為をしていたという。
さらに28日の公判で、内柴被告は、弁護側に「謹慎期間中、どんな気持ちだったか?」と問われると、「パニックですね。混乱していました。不安でもあった。この先どうなるんやろ。もう1つは…」と、言いよどんで、少しの沈黙のあと、口元を押さえ、さらに目頭を押さえて涙声で、「死のうと思いました」と語った。
金メダリストが裁かれる異例の性的暴行事件。
29日は、検察側が被告人質問を行い、さらに事件の核心へと迫ることになる。