<野球部いじめ>元生徒が賠償求め、鎮西高など提訴
毎日新聞 2012年12月1日(土)7時53分配信
熊本市の私立鎮西高校の元野球部員で発達障害のある元男子生徒(16)が部員らにいじめられて精神的苦痛を受けたとして、元生徒と両親が30日、同校と当時の野球部副部長、教頭を相手取り計約880万円の損害賠償を求める訴えを熊本地裁に起こした。
訴状によると、元生徒は小学時代、野球を通して友人関係、言語関係もうまくいくようになった。今年4月、同校に入学。同15日、野球部の合宿中、部員3人から「くさい」「障害児で生まれてきたらいかんだろう」などと言われ、6月には別の部員から殴るなどの暴行を受けて首などを負傷。医師から「外野やピッチャーはできない」と診断された。元生徒は「死にたい」と言うようになり、学校側に訴えたが放置されたという。暴行した生徒とは示談したという。
両親によると、自宅で見つかった手紙(7月20日付)には「トラックや車にひかれようとしたり、飛び降り自殺の練習を階段でした」とあったという。
同校は10月末、学費滞納を理由に元生徒を除籍処分とした。
学校側によると、元生徒からの訴えを受け、部員に面談するなど調査したが、いじめは確認できなかったという。同校は「訴状を読ませていただいた後、しっかりと対応する」としている。【志村一也】