意識不明:中2女子、教室内で倒れる AED措置まで14分 行田市教委が検証委設置 /埼玉
毎日新聞 2012年12月14日(金)11時23分配信
行田市の中学校で10年12月、当時2年の女子生徒が教室内で倒れ、現在まで意識が戻っていないことが分かった。市教育委員会のその後の調べで、AED(自動体外式除細動器)による救命措置までに14分が経過していたことが判明。このため、市教委は12日夜、調査検証委員会を設置し、学校の対応のあり方や再発防止策などを検証・協議する。今年度末をめどに報告書をまとめる。
市教委などによると、事故が起きたのは10年12月14日午前8時26分ごろ。渡辺莉子さん(16)が朝のホームルーム中、突然倒れた。担任の教諭らが保健室に運び、養護教諭がAEDを使って救命措置をした後、病院に運んだ。渡辺さんは一命を取り止めたが、意識が戻らないなど重度の障害が残った。AEDによる救命措置は、渡辺さんが倒れてから14分後だったという。
同調査委は、渡辺さんの母親からの要望もあり設置。委員長は、北埼玉地区青少年赤十字賛助奉仕団委員長の大嶋伸之氏が務め、医師やPTA、校長会の代表ら6人で構成している。この日の初会合では、渡辺さんの通う中学校長や救命士、主治医から当時の状況を聞き取った。次回以降、母親からも話を聞く。
市教委は「非常に残念。今後、同じようなことが起きないようにしたい」と話し、大嶋委員長は「今回の事故(の教訓)のことを、各学校で生かせるようにしたい」と語った。【清水隆明】
12月14日朝刊