相模原市立中いじめ暴行事件:市教委が「いじめ」認める、対応まずさ謝罪/神奈川

相模原市立中いじめ暴行事件:市教委が「いじめ」認める、対応まずさ謝罪/神奈川
カナロコ 2012年12月19日(水)23時30分配信

 相模原市の市立中学校3年の男子生徒(15)が複数の同級生から暴行などの被害を受けていた問題で、相模原市教育委員会は19日、一連の事案をいじめと認めた上で、生徒が1年次の1学期からいじめに遭っていたにもかかわらず、対応が不十分だったことを認め謝罪した。学校がこうした事案を隠蔽(いんぺい)した疑いについては今後も継続調査する考えを示した。

 市教委は(1)学校全体でいじめと疑われる事案が情報共有されなかった(2)学校から市教委に必要な報告がなされなかった(3)市教委もつぶさな情報を深刻に受け止めてこなかった−などの点を「最大の問題点」と説明した。

 学校は1年次の5月に保護者から暴行被害の相談を受け、さらにその後も同様の事案が続いたが、「けんか」「ちょっかい」扱いで十分に対応しなかった。

 さらに、2年次の5月に被害生徒が2人から暴行を受けた際、当時の担任はいじめを疑い学年会議にかけたが、校長や他学年の教諭まで情報が広まらなかった。「学校全体で解決が図られるべきだった」として、市教委は学校内で隠蔽があった可能性を認め、「原因の調査は続ける」と約束した。

 また今年9月にも生徒が暴行被害を受けたが、学校は市教委に必要な報告書を出さず、口頭でも伝えなかった。市教委は「10月の暴行、傷害事件への発展を未然に防ぐきっかけにもなったはず。報告書は出されるべきだった」と学校の判断の誤りを認めた。

 被害生徒は10月に鼻骨を折られる被害に遭って以降、学校に通えていない。

 市教委はいじめ問題への対応を図る新組織を来春までに組織するほか、いじめ防止条例の制定も急ぐ。

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