相模原市教委 「いじめ」を認めて謝罪 「1年の1学期から」
産経新聞 2012年12月20日(木)9時16分配信
相模原市立中学3年の男子生徒(15)に鼻骨骨折のけがを負わせたなどとして、同級生3人が逮捕された事件で、同市教育委員会は19日、「1年の1学期からいじめがあった」と継続的ないじめがあったことを認めた上で謝罪した。2年の時には担任教諭がいじめを疑ったが、学校は「個別のトラブル」と判断していたという。
市教委によると、男子生徒は入学直後から、同級生に廊下で殴られるなどの暴行を受け、進級とともにいじめ行為はエスカレート。男子生徒の上履きがなくなることもあった。男子生徒の保護者からは「今日、ある生徒に蹴られたと聞いて心配になった」などと、1年の5月ごろから複数回相談があった。
2年の時に担任教諭がいじめを疑った際、学校は男子生徒について「気になる生徒」という認識にとどまった。この時には担任教諭らが、関係した少年を呼び出して謝罪させるなどの対応を取ったものの、市教委に報告書を提出するなどの措置はとらなかった。
今年10月17日、男子生徒が膝蹴りをされ鼻骨骨折の重傷を負った際、学校は鼻血が出ていたことから保健室に連れて行ったが、「本人が痛がっていなかった」ため、その後教室で授業を受けさせたという。
市教委は問題点として「学校内で問題が共有されていなかったこと、また、問題が市教委にきちんと報告されていなかったこと」などを挙げた上で、「被害に遭われた生徒、そして保護者の方に深くおわび申し上げます」と謝罪した。
さらに、会見では学校がいじめへの対応としてとってきた対策の問題点も浮き彫りになった。学校では年に2回、いじめに関するアンケートを実施。教室で配布された用紙に生徒が記入する方式だが、男子生徒は「アンケートに記入すると『何か書いているぞ』と声が上がる」ことを恐れて記入を避けたという。市教委は、アンケートの工夫などを今後の改善点とした。