(朝鮮日報日本語版) 私立大学設立者が80億円横領、3度目の起訴

(朝鮮日報日本語版) 私立大学設立者が80億円横領、3度目の起訴
朝鮮日報日本語版 2012年12月27日(木)10時50分配信

 高校教師として働き30代で私立学校を設立した男が、経営する複数の大学の校費横領を繰り返した罪で3度目の裁判を受けることになった。

 光州地検順天支庁刑事第3部は26日、2007年から今年にかけ漢麗大学(全羅南道光陽市)と光陽保健大(同)、西南大(全羅北道南原市)、新京大(京畿道華城市)の4大学の校費898億ウォン(約71億6000万円)と、自らが経営する建設会社の資金など計1004億ウォン(約80億円)を横領した罪で、漢麗大設立者のイ・ホンハ被告(74)を起訴したと発表した。

 イ被告は、1998年と2007年にもそれぞれ校費409億ウォン(約32億6000万円)と3億ウォン(約2400万円)余りを横領した罪で起訴され、懲役1年6月と執行猶予2年の判決を受けたが、その後も脱法行為を続け、ここ5年間で巨額の校費を横領したことが発覚した。

 今回の捜査では、秘密オフィスを構え、各大学と大学の工事を独占した建設会社の会計を統合して組織的に横領を行うなど、違法行為の全容が明らかになったことから、厳罰は避けられない見通しだ。イ被告は、一部の教授を学校の工事現場に駆り出しコンクリート打設作業をさせるなど、教職員を自分の手足のように使ったことも分かっている。

 イ被告は高校の生物教師として勤務する傍ら銭湯を経営し、稼いだカネで1977年に学校法人のホンボク学院を設立した。その後、35年間で学校法人7法人と大学5校、高校3校を次々と設立し、光州市の南光病院、緑十字病院も買収した。

 検察によると、イ被告は工事現場に作業員を投入しなかったり、教職員などを動員したりした場合でも、虚偽の支出決議書を作成して他人名義の口座に校費から「人件費」を振り込み、現金で引き出すという横領手口を使っていたという。

 イ被告は南光病院に秘密オフィスとなる法人企画室を設置し、自らが経営する大学5校と建設会社の会計を一つにまとめ、組織ぐるみで横領を続けていた。同所には責任者(51)と各大学の経理職員など15人が勤務しており、各大学総長の職印を使って校費の入出金に必要な会計帳簿を作成し、イ被告の決裁を経て予算を執行していたという。

 イ被告は98年に初めて刑事処罰を受けた後、学校に関する全てのポストから退いたが、法人企画室に毎日出勤して全ての業務を指示・決裁するなど、各大学と建設会社を完全に掌握していた。

 横領したカネのうち、120億ウォン(約9億6000万円)は息子のマンション購入費や車両の維持費など私的に使用していたことが、検察の調べで明らかになった。息子のマンションを購入する際には15回のマネーロンダリング(資金洗浄)を行っていた。イ被告は出頭命令に応じなかったり供述を拒んだりと、捜査をたびたび妨害したという。

 検察は、イ被告と共謀して横領を行った法人企画室の責任者と西南大総長(57)、新京大総長(58)の3人を起訴し、イ被告が横領したカネで購入した不動産に名義を貸した男(73)など2人を在宅起訴した。

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