<大阪・高2自殺>顧問や校長、1週間も謝罪せず
毎日新聞 2013年1月10日(木)11時18分配信
大阪市立桜宮高校(同市都島区)2年の男子生徒(17)がバスケットボール部顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、顧問や同校長らが自殺後約1週間、両親に謝罪していなかったことが分かった。生徒の両親が明らかにした。通夜や葬儀でも謝罪はなかったという。公益通報制度に基づき、市に寄せられていた顧問の体罰情報の説明もなく、ずさんな遺族対応が浮き彫りになった。
生徒は昨年12月23日に自室で自殺しているのが見つかった。顧問は24日の通夜と翌日の葬儀に参列し、指導を超えた体罰だったと認めた。両親によると、その際にも謝罪はなく、校長と顧問が30日に初めて謝罪した。市教委は通夜の際に顧問が謝罪したと発表していた。同校は自殺後の27日と29日に部員と保護者向けのアンケートを実施。市教委は「体罰があったのか裏付けを取る目的だった」としており、事実確認を踏まえて謝罪したとみられる。顧問は体罰について「することによって(生徒が)よくなるように思っていた」と釈明したという。
公益通報は11年9月に匿名で市に寄せられた。バスケ部で体罰が横行し、生徒がおびえているという深刻な内容だったが、調査が始まるまで約1カ月間放置されていた問題が既に明らかになっている。顧問への調査はわずか約15分間で、市教委は体罰はなかったと判断。生徒への聞き取りもしなかった。学校側はこうした重要な通報があったことも両親に説明しなかった。
生徒は自殺前日の22日、練習試合の際に顧問から30〜40回たたかれたと訴えている。顧問はこの生徒以外にも多数の部員に体罰を加えていたことを市教委に認めている。父親(43)は「学校の対応は後手後手の印象があり、不信感を持った」と話している。【大久保昂、林由紀子】