<大阪・高2自殺>文科政務官「体罰、線引き必要」
毎日新聞 2013年1月15日(火)11時59分配信
大阪市立桜宮高校でバスケットボール部主将の男子生徒(17)が顧問から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、文部科学省の義家弘介(よしいえ・ひろゆき)政務官(41)が15日、同市役所を訪れ、永井哲郎教育長らと今後の対応を協議。義家政務官は記者団に「今回の事案は日常的に行われた暴力だ」と述べた。一方、「体罰と暴力、あり得る体罰とそうじゃない体罰の線引きが必要」とも述べ、体罰を一部容認するとも受け取れる発言をした。
文科省は今後、47都道府県の教育委員会に対し、体罰の実態調査を求めるとともに、再発防止策などを検討する。
協議は約1時間行われ、佐藤芳弘校長も同席。義家政務官は冒頭、今回の問題について「教育行政の責任であると同時に、教育の『無責任』だ。安易に体罰という言葉が流布されているが、継続的、日常的に行われた身体的、精神的暴力と思う」と話した。
協議後、義家政務官は記者団に「市教委は方針を速やかに出せていない」と批判。文科省が問い合わせるまで報告がなかったことや、調査を外部監察チームに委ね、全校生徒へのアンケートなどによる事実確認をしていない点を指摘した。
一方、義家政務官は「気合を入れるための平手打ちは前時代的だ」と否定しながら、「強くなるために(体罰は)一定ある。目的は何なのかだ」と述べ、部活動での体罰と暴力の線引きが必要との認識を示した。学校教育法では、教育上必要があると認めるときに「懲戒を加えることができる」とする一方、体罰を禁止している。
義家政務官(自民)は高校時代に暴力事件で処分を受けた後、母校で教諭となり、「ヤンキー先生」として知られる。07年参院選で初当選し、昨年12月の衆院選では神奈川16区で当選した。【林由紀子、津久井達】