体罰防止:県教委、研修会 中高教諭ら160人参加 /三重
毎日新聞 2013年1月30日(水)11時44分配信
体罰防止のため、県教委は29日、運動部活動の適切な指導に関する研修会を、津市一身田上津部田の県総合文化センターで開いた。中学、高校の教諭ら約160人が参加し、高校での教諭経験がある日本女子大教職教育開発センターの坂田仰(たかし)教授(公教育制度論)が「事例から学ぶ運動部活動の適切な指導〜学校教育の変化の中で〜」と題して講演した。
坂田教授によると、全国では体罰を理由とした懲戒処分が年間約400件あり、うち約100件が部活動関係だという。
また、教諭がこれまでの経験から、情熱を持って生徒に手をあげることを肯定的にとらえる傾向にある一方、生徒や保護者がそれを教諭の思い込みだと感じ、訴訟に発展するケースが多いと指摘。「体罰の結果として、どういうことが身に降りかかるのかをもっと考えるべきだ」と述べた。
さらに、生徒が教諭の言葉に傷つく「言葉の暴力」が問題になっていることも挙げ、「自分の一言が生徒との関係を壊してしまうことがあると意識することが大切」と訴えた。
中学のソフトテニス部の男性顧問は「体罰は絶対にしないようにしてきたが、自分の言葉で生徒を傷つけたことがあるかもしれないと反省している」と話した。一方、別の中学でサッカー部のコーチをしている男性は「体罰はいけないが、今はコミュニケーションのために体を触ることにも過敏に反応している。頑張っている先生がかわいそうだと感じることもある」と指導の難しさを打ち明けた。【大野友嘉子】
〔三重版〕
1月30日朝刊