大阪市立汎愛高の柔道部顧問が体罰…市教委放置
読売新聞 2013年2月1日(金)9時11分配信
大阪市立汎愛(はんあい)高校(大阪市鶴見区)で昨年4月、50歳代の男性保健体育教諭が柔道の授業中に3年女子生徒の頬を平手打ちする体罰をしていたことがわかった。
教諭は柔道部顧問を務めており、被害生徒は部員だった。同高は同年6月に市教委に報告したが、担当職員が対応を放置していた。今年1月の生徒アンケートでも複数の体罰情報が市教委に寄せられており、市教委は、市立桜宮(さくらのみや)高校と同様に体罰が常態化していた可能性があるとして調査を始めた。
汎愛高校には、普通科のほか、スポーツ専攻の体育科(定員80人)と、剣道や柔道などを専攻する武道科(同40人)があり、この2科の生徒は原則、授業で専攻する種目と同じ運動部に所属する。
市教委と同高によると、昨年4月に武道科が和歌山県で行った2泊3日の校外実習で、この教諭が、柔道のトレーニングでミスをした女子生徒の頬を2、3発たたいた。けがはなかった。同高は保護者に謝罪した。
同高は同年6月に市教委に報告。担当職員は「教諭を指導してください」と述べただけで、内部で義務づけられている報告書の提出を求めず、上司にも伝えなかった。しかし、桜宮高での体罰が浮上した今年1月、市教委に匿名の情報提供があり、担当職員が放置していたことが発覚した。
また、桜宮高の体罰を受け、市教委が1月23日に汎愛高の全生徒約900人に実施したアンケートでは「体罰があった」との回答が複数あった。今回のケースも含まれているとみられ、市教委は、弁護士5人の外部監察チームと連携して同高での体罰の実態解明に着手している。
市教委は「担当職員のミスで体罰への対応が遅れたことは申し訳ない。徹底した調査を行う。教諭の処分も検討する」としている。
同高柔道部はロンドン五輪銀メダリスト杉本美香さんが所属していた。
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橋下市長、汎愛高も全部活停止あり得る…体罰で
読売新聞 2013年2月1日(金)11時36分配信
大阪市立汎愛(はんあい)高校で昨年4月、柔道部顧問の男性教諭が柔道の授業中に部員の女子生徒に体罰をし、市教委が対応を放置していた問題で、市教委は1日、記者会見を開き、対応の不備を認めて陳謝。
一方、橋下徹市長はこの日、市役所で記者団に、今後の調査結果次第で、同高の全部活動の停止もあり得るとの考えを示した。
橋下市長は同高からの体罰の報告を市教委の担当職員が放置していたことについて「組織の立て直しをする。徹底的に調査して、メンバーや仕事の役割を精査して作り直す」と述べ、市教委の抜本的な見直しに言及した。
さらに、「(汎愛高を志望する)受験生には全クラブ活動停止もあり得るという前提で考えてほしい。市教委からも各中学校に通知を出してもらわないと」と話した。ただ、新年度入試の中止を求める考えはないという。