大津いじめ第三者委 「教員の多忙化」改善を 緊急課題として提言

大津いじめ第三者委 「教員の多忙化」改善を 緊急課題として提言
産経新聞 2013年2月2日(土)7時55分配信

 大津市で市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題の真相究明を手がけてきた市の第三者調査委員会は、市に提出した報告書の中で、今後個々の教員や学校、市教委などがそれぞれに取り組むべきことを提言として示した。二度と同じような事態を引き起こさないための緊急課題として「教員の多忙化」の改善を求めるなどしている。

 報告書では、自殺した男子生徒が在籍していた中学校では、教員の多くがほぼ毎日深夜まで残業していたとして、「子供のために費やされる時間と心の余裕が失われていった」と説明。第三者委はこうした現状を踏まえ、多忙化の改善に取り組む必要があるとして業務削減の必要性を指摘している。

 一方、第三者委が将来に向けた提言として紹介しているのが「弁護士の活用」。弁護士は「紛争解決の専門家であり、重大な結果が生じる前に法的観点からアドバイスできる」として、子供たちの相談相手に活用するのが望ましい、としている。

 ただ、弁護士への相談は敷居が高いと受け止められる面もあることから、「弁護士が学校を訪問して講義する『出前授業』の実践も」との具体案も示している。

 このほか報告書では、生徒の心を理解するための「全教員研修」▽地域住民の学校教育への積極的な参加▽いじめの相談などを受ける教員以外の専門的なスタッフの配備−などの必要性が提言されている。

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