桑田さん大阪で体罰撲滅訴え、橋下市長感激「よかった」
スポーツ報知 2013年2月3日(日)7時5分配信
大阪市立桜宮高の体罰問題を受け、プロ野球・元巨人でスポーツ報知評論家の桑田真澄さん(44)が2日、大阪府市の教育委員会が共催した教員向け研修会で桜宮高教諭62人ら512人に講演し、体罰撲滅を訴えた。桜宮高のバスケットボール部とバレーボール部の顧問は自宅待機のため不参加だったが、体罰が明らかになった市立汎愛高の柔道部顧問は参加した。
大阪市内で非公開で行われた講演で、桑田さんは自らの選手・指導者経験を基にスポーツ指導とスポーツマンシップについて55分間語った。講演後の会見では「ダメなものはダメ。体罰はひきょうなんです」と断じ、「体罰を受けたことで野球に生かされたことは何一つない。マウンドや打席で助けてくれるのは体力と技術、自分自身をリスペクトすること」と説明した。
メジャー在籍時、当地の学校の指導現場を何度も訪れた桑田さんは「どなる、殴るは一切ありません。伸びやかにゆったりと楽しく野球をしていた。その中からメジャーリーガーが出るんです。体罰がなくても素晴らしい選手が出る証し」と説いた。暴力指導の連鎖を断つには「体罰がよくないと勉強するしかない」と意識改革の重要性に言及し「大人が子供たちのため実行していきましょう」と訴えたという。
講演には橋下徹市長(43)も参加。野球が弾圧されそうになった戦時中に生まれた精神鍛錬や膨大な練習量、絶対服従関係という兵士養成につながる概念が今も残るが、練習の質、リスペクトする関係などが大事だという桑田さんの講演内容に、市長は「頭の中が整理された」とすっきりした表情。「すごいよかったです」と感激し、桑田さんも「また何でも協力します」と快く応じた。
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桑田氏 体罰反対熱弁「声を大にして言いたいのは貴い命が失われた重大さ」
スポニチアネックス 2013年2月3日(日)9時18分配信
大阪市立桜宮高校の体罰問題を受け、市教育委員会が2日、同市内で元巨人の桑田真澄氏(44)を招いて教職員向けの研修会を開いた。報道陣には非公開で、桑田氏は暴力指導は、戦前の軍隊教育を引きずっていると指摘。熱弁に耳を傾けた橋下徹市長は、「開眼させられた。暴力指導は兵隊養成だ。絶対根絶する」と述べた。
講演後の会見で桑田氏は「スポーツマンシップとはどうあるべきかを話した」と説明。体罰について「ダメなものはダメで、論理なんていらない。仕返しをされない絶対服従の中で行われる。一番ひきょうだ」と力説した。
米大リーグで選手だった06〜08年に現地の学校を訪問したエピソードを披露。「怒鳴る、殴るは一切なかった。伸びやかに、ゆったりと野球をしていた。その中からメジャーリーガーが出る。体罰がなくても素晴らしい選手が育つという証だ」と撲滅を訴えた。
さらに「体罰の痛みや恐怖心で根性が付いた実感は僕には全くない。助けられたことも一度もない」と強調。「声を大にして言いたいのは、(桜宮高で)一人の貴い命が失われたという重大さだ」と指摘した。
市教委によると、体育科がある桜宮高と市立汎愛(はんあい)高の運動部顧問ら513人が出席。桑田氏は自身の体験談を交えて55分間話した後、教員らと約20分、質疑応答。橋下氏も議論に加わったという。
会見が終わると、橋下氏が入室。桑田氏の顔を見つめ「素晴らしいお話、ありがとうございました」と握手。桑田氏も「また、何でも協力させてください」と笑顔で応じた。橋下氏は「またアドバイスなど、お願いできたら」と桑田氏の“再登板”を期待した。
桜宮高だけではなく、ロンドン五輪代表を含む女子柔道の15人が、園田隆二監督(39)と男性コーチから暴力やパワハラを受けたと告発した問題も発覚。前日1日には、汎愛高の柔道部でも体罰問題が表面化した。橋下氏は、桑田氏が講演で「野球などスポーツ界に根強く残る暴力指導は、戦時中の軍隊教育を引きずっている」と指摘したことに触れ、「開眼させられた。暴力指導はまったく意味がない。兵隊養成ですよ」と述べた。最後は、「大阪全体で生徒や保護者と認識を共有したい」と語った。