御所中、バスケ部顧問が体罰 部員14人に平手打ち 奈良
産経新聞 2013年2月7日(木)7時55分配信
■別の教諭・講師7人も
御所市の市立御所中学校の男子バスケット部顧問の男性講師(28)が、部員14人の頬に平手打ちをする体罰を繰り返していたことが6日、分かった。男性講師は「指導の域を越えていた。生徒に申し訳ない」と反省し、顧問のほか、保健体育の教科指導も自粛しているという。
この体罰を受けた同校の調査で、別の教諭・講師7人も生徒21人に平手打ちの体罰を加えていたことが判明。うち1人は鼓膜が破れ、全治3週間のけがをしていた。
市教委は、体罰に関与した教諭・講師の処分を検討している。
同校などによると、男子バスケット部顧問の男性講師は、顧問に就任した平成22年4月以降、練習中に怠慢とみられるプレーをしたり、注意を素直に聞かなかったりした部員の頬を平手でたたく体罰を繰り返していた。今年1月10日、体罰の情報が市教委に寄せられ、発覚した。
学校側の調査に対し、「十発以上たたかれた」と話す部員や、「唇を切るけがをして帰宅した」と訴える保護者もいた。昨年9月には2年生部員が退部し、学校側に「体罰を受けるのも(他の部員への)体罰を見るのも嫌だった」と話したという。
これを受けた同校の調査で新たに体罰が判明した教諭・講師7人は、昨年4月以降、修学旅行先や授業中に騒ぐなどした生徒21人に平手打ちをしていた。
同校は7日にスクールカウンセラー1人を増員し、生徒の心のケアにあたるほか、8日には保護者説明会を開く予定。
田中祥元校長は「行きすぎた指導は体罰。絶対禁止を教職員に徹底し、同様の問題を起こさないよう学校再生に取り組みたい」と話している。
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御所中の体罰:柔道・野球部など、他に14件確認 校長ら会見 /奈良
毎日新聞 2013年2月7日(木)16時30分配信
御所市立御所中学校(田中祥元校長)の男子バスケットボール部の体罰問題で、市教委の上田貞夫教育長と田中校長らが6日、市役所で会見し、昨年4月以降、今回のケース以外に計14件の体罰を確認したと発表した。上田教育長は「子供が大変な被害に遭い申し訳なく思っている。市民にもいろんな不安を与えて申し訳ない。これを元に体罰のない新しい学校を目指したい」と謝罪した。
会見や市教委などへの取材によると、男子バスケ部では、監督の男性顧問(28)が2年前から部員計14人に対し、部活の練習中や対外試合中に平手で頬を数発たたく行為を繰り返していた。男性顧問は先月25日から顧問活動を自粛していたが、5日からは担任や授業業務から外されている。
これ以外に、男性教諭(26)が昨年11月15日、授業中に騒ぐなどした2年生の男子生徒に対し、授業終了後、平手で頬をたたき左の鼓膜を損傷させた。男性教諭は1月7日に市教委から口頭で厳重注意を受けた。
また、柔道部では男性顧問が武道場で2、3年生4人に平手で頬をたたき、野球部でも男性監督が試合の帰り、携帯を持っていた2年生を平手でたたいたという。
御所中と市教委は先月、男子バスケ部での体罰情報が寄せられ、事実確認をするとともに、同校の全教諭に体罰をしていないかなどを自己申告させていた。田中校長は「生徒や地域の人たちを裏切る行為で申し訳ない。今後は報告や連絡を密にし、体罰のない学校を目指す」と話した。【山本和良】
2月7日朝刊