教員44人体罰 168人被害 滋賀県教委 全公立校調査、処分へ
京都新聞 2013年2月7日(木)23時19分配信
滋賀県教委は7日、県内の全公立校で行った体罰実態調査で、2008年以降、33校で教員ら44人が体罰を行い、児童生徒168人が被害を受けていたことが分かったと発表した。うち7人はけがを負っていた。県教委は部活動中に体罰を加えた教員25人を指導から外し、今後、詳細に調査して処分するという。
調査は、大阪市立高での男子生徒自殺を受け、先月に行った。対象は市町立の小中学校325校と県立の高校や特別支援学校など65校。全教職員に聞き取りを行い、在校生や保護者の訴えを聞いた。
調査によると、体罰は県立高18校で行われ、被害生徒は117人。特別支援学校は1校で1人、中学校は10校で44人、小学校は4校で6人が被害に遭った。部活動や授業、学校行事中に、態度の悪さやミスをとがめた例が多かった。
八幡商業高では、11年8月から先月までの間に10回以上、運動部顧問の男性教諭が部活動中に女子生徒14人の顔や背中を平手でたたき、2人が奥歯の一部が欠けたり口を切るけがを負った。ほかにも北大津高や玉川高など小中高の5校で5人がけがを負ったが、いずれも軽傷という。
体罰を行った44人のうち7人は、以前から県教委が把握し処分済みだったが、八幡商業高の男性教諭を含む37人は今回の調査で初めて発覚した。
県教委は教員らの処分のほか、年度内にも研修を行い意識改革を図る。安田全男教育次長は「体罰の調査は今後も続ける。対応するチームの設置も含め、相談を受けやすい体制を考えていきたい」とした。