<京都府立医大>降圧剤論文で検証チーム設置へ
毎日新聞 2013年3月1日(金)21時27分配信
京都府立医大のチームによる降圧剤「バルサルタン」に関する臨床試験の論文3本が、「重大な問題がある」との指摘を受けて撤回された問題で、京都府立医大は1日、問題となった臨床試験の精度検証チームを早急に設置すると発表した。大学は予備調査で捏造(ねつぞう)などの不正を否定しているが、論文を掲載した日本循環器学会が再調査を求めていた。論文の責任著者で、辞職を申し出ていた松原弘明教授(55)は2月末付で退職した。
京都府立医大は、研究活動の不正防止のための指導などを行う「品質管理推進本部」(本部長、吉川敏一学長)を1日付で設置。その中に、外部の有識者を含め6〜7人程度で構成する検証チームを発足させ、試験のデータ解析の処理などを検証する。
問題になっているのは、09〜12年に日欧2学会誌に掲載された3論文。血圧を下げる効果に加え、脳卒中のリスクを下げる効果もあるかなどを約3000人の患者で検証した。【河内敏康、八田浩輔】