府内私学の体罰83件 昨年4〜1月中学・高校把握分
京都新聞 2013年3月2日(土)10時29分配信
大阪市立桜宮高の自殺問題を受けた文部科学省の体罰緊急調査で、京都府内の私立中学・高校で昨年4月から今年1月にかけて、体罰が83件あったことが1日、府のまとめで分かった。公立は京都市を除き、網野高で判明した事案を含めて6件だった。今回は、学校が把握済みの「1次報告」の件数で、今後さらに膨らむ見通し。
文科省の依頼で、府は公立、私立の各校に、1月末までに発生した体罰の件数の報告を求めた。
府文教課によると、私立は中学が7校で17件、高校は17校で66件だった。けがの有無は「該当校の了解が取れていない」として現段階では公表しないとしている。関係者によると、学校によっては、授業中の居眠りを注意する際に頭をたたいたなどの事案も含めたという。
府教育委員会によると、公立は小学校と中学が2件ずつ、高校は1月にレスリング部での体罰が発覚した網野高など2件。うち4件で教員を訓告処分とした。いずれも児童生徒にけがはなかった。京都市教委は集計中。
私立については関与した教員の人数や、どの部活動で発生したのかなどは報告に記載がないという。府文教課は「再発防止を考える上で、どういう状況で起きたのかを詳細に確認したい」として、私立側と協議する。
文科省は今回の1次報告とは別に、児童生徒へのアンケートなどで体罰を掘り起こす全校調査を求めている。府などは新たに把握できた体罰を4月までに2次分として報告する。