’13予算から:福岡市 私立小中学校、朝鮮学校への補助金 「行革の一環」理由に廃止 /福岡
毎日新聞 2013年3月2日(土)16時46分配信
福岡市は来年度から、行財政改革の一環として市内の私立小中学校と福岡朝鮮初級学校(東区)への補助金を廃止する。私立高校への補助金は生徒数の多さなどを考慮して減額の上で存続を決めた。
市によると、私立小中学校は1955年、私立高校は73年、朝鮮学校は90年から備品購入などのため補助金を交付してきた。交付額は12年度で私立小中15校に290万円、私立高22校に4558万円、朝鮮学校に190万円。しかし、財政難から補助金交付の効果が限定的と判断した私立小中と朝鮮学校への交付は廃止し、私立高は3%カットして交付することにした。
朝鮮学校を巡っては、北朝鮮による核実験を受けて補助金の予算計上を見送る自治体が出ている。さらに福岡朝鮮初級学校では運営する学校法人の提出書類に虚偽記載があったとして市が昨年6月に補助金返還を求める問題も起きたが、市教委は「政治的な理由や虚偽記載問題とは関係なく行財政改革の一環」と説明している。
ただ市は、公立対象のいじめ防止や英語教育などに関する10事業について、新たに私立小中学校や朝鮮学校の参加を呼び掛けるといい、県私学協会福岡地区支部の石田美孝支部長は「市の財政難やいじめ問題、英語教育への新たな支援を考えればやむを得ない」と理解を示した。また同校の趙星来校長は「廃止は残念だが長年の補助金交付に感謝したい。今後も市の発展と国際交流に貢献したい」とコメントした。【木下武】
〔福岡都市圏版〕
3月2日朝刊