<柔道事故>元指導員を強制起訴へ 長野検察審査会
毎日新聞 2013年3月7日(木)19時38分配信
長野県松本市の柔道教室で08年、当時小学6年の沢田武蔵さん(16)が練習で投げられ、重い障害が残る事故があり、長野検察審査会は7日、長野地検が2度不起訴にした男性元指導員(40)を業務上過失傷害罪で「起訴すべきだ」と議決したと公表した。元指導員は検察官役の指定弁護士に強制起訴される。
議決によると、元指導員が練習中、沢田さんに仕掛けた片襟体落としの投げ技は「重大な事故発生の危険性がある」と指摘した。また、各地の柔道事故を例に挙げ「指導者として事故の内容、防止方法について知識を得るように努めるべきだった」と事故は予見できたと判断した。
事故を巡っては、県警松本署が10年9月、投げ技の衝撃で一時重体にさせたとして元指導員を業務上過失傷害容疑で書類送検し、地検が12年4月、容疑不十分で不起訴処分にした。沢田さんの両親の申し立てを受けた長野検審は12年7月「事故を予見し、回避できた」と起訴相当と判断したが、地検は12年12月「予見可能性は認められない」と再び不起訴とした。【福富智】