不祥事処罰の厳格化要求 教員資質向上あり方検討会議 長野

不祥事処罰の厳格化要求 教員資質向上あり方検討会議 長野
産経新聞 2013年3月23日(土)7時55分配信

 ■60項目提言

 教職員による不祥事を根絶し、子供たちが安心して教育を受けられる環境をつくろうと、昨年7月から有識者らが議論を重ねてきた「教員の資質向上・教育制度あり方検討会議」の提言がまとまった。内容は、教職員の倫理向上策から研修・評価方法のほか、教育委員会のあり方まで約60項目に及ぶ。しかし学校現場での調査などを通じて浮かび上がった問題点は多岐にわたり、改めて深刻な県教育の実態が浮き彫りになった。

 不祥事への対応能力が低く校長の危機管理対応力が養成されていない▽教職員の多くが問題を人ごとと捉えて周囲の環境変化に鈍感で問題発覚を遅らせる組織風土がある▽教職員が互いのマイナス部分を指摘できない体質がある▽問題教員への情報共有が不足している▽不祥事を起こした教職員に対する研修が行われていない▽わいせつ行為に対する処分が甘い−。

 これらの提言に記載された事実内容や課題は、全て現場での聞き取りで明らかになった。こうした実態に対して提言は、一度でもわいせつ行為をした教職員を教壇に立たせないことを要請。体罰を行う教職員には、再教育プログラム終了までは児童生徒への指導に当たらせない厳しい対応を求めている。

 さらに提言は、子供の人権侵害に関する調査・救済を行う第三者機関や市町村教委内への外部関係者も含めたコンプライアンス委員会の設置、通報相談制度の整備などを明記。児童生徒や保護者による授業や生徒指導の評価導入、校長・教委の権限や責任の明確化などにも踏み込む。

 また、施策の内容を行動計画にまとめて実現することを求め、第三者機関を設けて施策の進捗(しんちょく)状況を管理するモニタリング制度の確立を促している。

 19日に提言を受け取った阿部守一知事は「不祥事をなくすのは最低限の話。子供たちが安心して勉強にスポーツに励める教育環境をつくっていくことが県と県教委の使命だ」と語った。

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