中1自殺未遂で第三者委員会設置へ 田辺市
紀伊民報 2013年3月23日(土)16時49分配信
和歌山県田辺市の中学校に通う中学1年生の男子生徒(13)が昨年12月に自殺を図り、意識不明となっている問題で、市は22日、第三者による調査委員会を設置する条例案を市議会に提出し、可決された。真砂充敏市長は「真相究明と再発防止の提言をお願いしたい」と話している。
市教委と学校は、男子生徒が学校でいじめに遭ったことは認めている。しかし、全校生徒へのアンケートなど、これまでの調査で、自殺未遂に直接結びつく原因は「見つかっていない」としている。
第三者委は5人以内で、大学教授や弁護士など有識者を市長が委嘱する。男子生徒の受けたいじめや自殺未遂との関係などを調査し、市長に報告する。
会見した真砂市長は「早急に委員を選出し、中立公正な立場で審議してもらいたい。結果は厳粛に受け止め、適切に対応する」と話した。
市教委によると、男子生徒は昨年10月に担任との面談で「部活中にボールを当てられる」「嫌なあだ名を言われる」などと相談。学校側は関係生徒を指導し、謝罪させた。経過は男子生徒の保護者にも報告した。ただ、その後も男子生徒は「別の部に移りたい」と担任に相談している。
男子生徒の保護者は「学校でのいじめが原因と考えている。学校で何があったか知りたい。市教委と学校の調査に限界があれば困るので、第三者委を設置してもらいたい」と求めていた。
■田辺市議会が閉会
田辺市議会3月定例会は22日、総額433億8千万円の2013年度一般会計当初予算案など計66議案を原案通り可決して閉会した。
5月21日に市議の任期が満了になるため、継続審査となっている請願2件は任期をまたいで継続しないため、審議未了で廃案になる可能性が高い。継続審査となっているのは2010年12月議会での「大坊小学校新校舎建設に関する請願」と3月11日に提案された「中学校卒業まで子ども医療費無料化を求める請願」。