<やらせ受験>大産大、理事長に金銭授受報告 国には伝えず

<やらせ受験>大産大、理事長に金銭授受報告 国には伝えず
毎日新聞 2013年3月24日(日)11時48分配信

 大阪産業大学(大阪府大東市)が入学意思のない生徒に受験させるよう付属高校に依頼した「やらせ受験」問題で、付属高が11年、「生徒への日当は1回5000円だった」と教諭らが認めた内容の調査報告書を、大産大側に提出し、理事長にも報告していたことが同高への取材で分かった。大産大は当時、こうした事実を文部科学省に報告せず、今年2月には「金銭授受は確認できなかった」と説明した。同省は虚偽報告とみて、大産大に改めて報告を求める。

 付属高によると、元教頭が11年9月、「やらせ受験」を文科省などに内部告発する、と伝える手紙を大産大の理事長宛てに送った。大産大の要請を受け、付属高が担任教諭2人に事情を聴くと、▽生徒に経営学部を受験するよう依頼した▽生徒への日当は1回5000円だった−−などの事実を認めた。さらに、付属高に支出した入試問題の点検手当の一部が使途不明になっていることも、教員らへの聞き取りで判明した。

 付属高の校長は同年10月、調査結果を法人本部に提出し、理事長にも報告したという。しかし、大産大は元教頭への聞き取りができなかったことを理由に調査をいったん打ち切り、文科省にも報告しなかった。今年1月、学校関係者の告発を受け、文科省が調査を開始。大産大に説明を求めたところ、謝礼(日当)については「確認できない」とし、点検手当の一部が使途不明になっていることは説明しなかった。【原田啓之】

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