<北里大>補助金2700万円を不正受給 昨年返還公表せず

<北里大>補助金2700万円を不正受給 昨年返還公表せず
毎日新聞 2013年3月25日(月)11時35分配信

 北里大学(東京都港区)が厚生労働省の科学研究事業で補助金約2700万円を不正受給し、昨年返還していたことが分かった。大学側は昨年3月に関係者を処分したが、こうした事実を公表していなかった。

 厚労省研究開発振興課などによると、不正受給があったのは、昨年6月まで副学長を務めた相沢好治・北里研究所常任理事(66)が研究代表者となった医療基盤整備の研究事業。07〜11年度に計約4億8000万円の補助金が交付された。

 この事業は、データ入力やシステム開発の作業を、研究メンバーだった医学部元教授(53)が理事長を務めるNPO法人など3団体に委託していた。3団体は各年度とも、作業を2〜6割しか達成していなかったが、虚偽の書類で終了したように見せかけ、計約2700万円を不正受給した。

 厚労省は匿名の告発を受け、昨年1月に大学側に調査を指示した。北里大は同年5月、「私的流用はなかった」としながら、補助金適正化法に基づく加算金を含め3200万円を同省に返還。これに先立ち、同年3月には元教授を出勤停止2カ月の懲戒処分(その後依願退職)とし、相沢前副学長を文書で厳重注意していた。

 厚労省研究開発振興課は「不正受給があった場合、通常は大学が自主公表する」と話している。【井崎憲】

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